2017年 01月 29日

雪夜の手筒花火 ― 小布施安市2017 ※(写真部門)

長野県上高井郡小布施町 小布施安市(1/14)


紅蓮の火花と

純白の雪が

天から降り注ぐ。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM


手筒花火は
三河・遠州地方に伝わる
伝統的な花火だ。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



それは一般的な「打ち上げ」る花火ではなく、
「吹き上げ」るもの。



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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



周りに荒縄を巻いて補強した竹に
火薬を詰めたもので、
先端に点火すると
筒から勢い良く火炎が噴出する。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



玩具花火だったら
点火したらすぐに離れて
遠くから見て楽しみましょう、となるのだが
手筒花火は違う。



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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



「手」筒花火の名のとおり
火薬の燃焼中、花火筒は
ずっと傍らに抱えられているのだ。

だから、この花火は「打ち上げる」と言わない。
「放揚する」という。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



黒色火薬と鉄粉からなる燃焼剤は
ロケットのように
巨大な火柱を吹き上げる。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



龍の雄叫びのような噴出音とともに
灼熱の火塵が空に舞い上がる。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



そして、
弧を描いて
地上に降り注ぐ。



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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



放揚者は
その火の粉を全身で浴びながら
じっと耐える。

その姿が
勇ましい。

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



この花火は
花火師が製造するのではなく
花火師の監督のもと
放揚者自ら
竹を切り、
縄を巻き、
火薬を詰めて
仕上げたものだ。

そして、それを自ら放揚する。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM


手筒花火は
男の過激な手仕事なのだ。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



手筒花火には抱える大きさの筒もあれば、
通称「羊羹」という
片手で持てるサイズのものがある。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



ただし、
小さいからと言って
甘く見てはいけない。

小さい分
吹き上がった火の粉は
消えずにそのまま降り掛かってくる。

大きな筒よりも
放揚者は火の粉の熱さに
耐えねばならないそうだ。

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



火の粉の熱さと
雪の冷たさを
同時に味わいながらの放揚。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



放揚の終盤、
燃焼剤が燃え尽きる直前に
筒の根本に仕込んだ
強力な火薬に火がつく。

バシンという破裂音とともに
筒の底が抜け
多量の火の粉が舞い散る。

手筒花火のフィナーレを飾るこの爆発的燃焼を
「はね」
という。

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM


「羊羹」花火の「はね」は
小さいだけあって、ほどほどにマイルドだ。

しかし、大きな筒の「はね」は
桁が違う。

「はね」の瞬間
ズドンという重い衝撃とともに
空気が揺れる。

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM




筒の底から一気に噴き出す火炎は
積もった雪を
土ごと吹き飛ばすくらいの威力がある。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM




火炎の衝撃は
強い反動となって
筒に跳ね返る。

荒縄を幾重にも巻いた
重量のある筒が
「はね」の勢いで
ロケットのように飛び上がる。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM




放揚者は
その筒が飛び上がろうとするエネルギーを
一本背負いの要領で
回転運動に変える。

宙に円を描く筒の底から
火の粉が舞い散る。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



いつ「はね」が来るのか
予測できないところが
非常にスリリングだ。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM


そろそろかな、というところまでは分かる。
だが、そこからは筒によって
「はね」までの時間が異なる。

カウントダウンは不可能。

心の準備ができていないところに
いきなりの衝撃。

観客はビクッと身を震わせる。

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM


辺りを紅々と染め上げる放揚から一転
閃光と同時に轟く
「はね」の衝撃音。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



舞い散る火の粉の余韻を残しながら
辺りはまた静かな闇夜に戻る。

その緩急がまた素晴らしい。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



これぞ、
三河の男の
晴れ舞台なのである。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



ラスト一本が
ドカンと弾けて

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



闇に火の粉で
大きく「の」の字を描いて
大団円。


素晴らしい手筒花火だった。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



最後に
特製打ち上げ花火の披露。

煙るくらいの大雪が舞う空を
花火色に染め上げる。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM



花火を見上げる
豊橋煌炎会の方々。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM


大雪の中を、はるばる長野まで。

素晴らしい花火を
ありがとうございました。






念願の手筒花火を撮る機会に
ようやく恵まれました。

幼少の頃、
今はなき祖父に連れられ
穂高神社に見に行って以来、数十年ぶりです。

手筒花火の本場では、
神社の祭礼の奉納花火として放揚されることが多いので、
今回のような大雪と手筒花火のコラボは
けっこう珍しい光景かもしれません。

手筒花火は
放揚の最中は楽に撮れるのですが
「はね」を撮るのはけっこう難しいです。
大きな音に驚いて
「はね」と同時にカメラも跳ねてしまうと
ブレブレ写真の出来上がりです^^;

でも、そのスリルの中で撮影するのが
ハンティング気分で
楽しかったりします。


★ 第一回プラチナブロガーコンテスト ★



by TamaWakaba | 2017-01-29 13:13 | EOS5D Mark III | Trackback | Comments(0)
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