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平田浩一 加瀬秀雄 氷彫刻 『Crystal Fairy』 【2】

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平田さんが図面を見ながら
氷板に赤色サインペンを使って
デッサンを行う。

気温はすでに零度を下回っている。
氷点下では氷の表面は解けだすことなく、乾いている。
ゆえに、油性サインペンで描けるのだ。
a0155104_16373017.jpg



デッサンと言っても、
実際には最低限の線で
「この辺にこんな形を作る」
という「走り描き」に近い。

スケジュールが常にタイトな氷彫制作において、
時間的にどこに重きを置くかは重要だ。
a0155104_16451025.jpg



次に、
デッサンした線を参考にして
角ノミで筋彫りを施していく。
a0155104_16520724.jpg



気温が高く、氷の表面が濡れている時は
いきなりこの筋彫りから入ることもある。

筋彫りでは、曲線も図面に忠実に描かれる。
本当のデッサンといえるのは
この筋彫りなのかもしれない。
a0155104_16591575.jpg



筋彫りが終了。
幾重の曲線が織りなしているが
まだ何を作っているのかは
さっぱりわからない。
a0155104_17065299.jpg



筋彫りに沿って、ドリルでなぞっていく。
筋彫りの線は細く、浅い。
この後のチェーンソーや平のみを使った
荒々しい切削でも消えないように
線を深くする作業だ。
a0155104_17154018.jpg



深くした線に沿って
チェーンソーで氷を切っていく。

この切削作業が始まると
いよいよ氷彫刻を作っているという
雰囲気が高まってくる。

観客も一気に色めきだつ。
a0155104_17190670.jpg



平田さんが、筋彫りした線の上から
さらにドリルで深く氷をえぐる。
a0155104_17240662.jpg



氷に穴が開いた。
a0155104_17261036.jpg




平田さんが加瀬さんに
氷の彫り進め方について説明。
a0155104_17274107.jpg




そして、加瀬さんが
氷板の彫刻を引き継ぐ。
a0155104_23185342.jpg



氷板の各所に
穴を開けていく。
a0155104_23223649.jpg




細かい部分は
ミスしてしまうと修正が利かない。
慎重に彫り進める。
a0155104_23323748.jpg




一度打ち合わせをした後は、
二人ともに
黙って作業に打ち込む。

そういえば、去年に比べて
この二人が作業中に言葉を交わす機会が
大幅に減ったような気がする。

2シーズンに渡ってタッグを組むことで
以心伝心する部分も多くなったのかもしれない。
a0155104_23250077.jpg




一方、平田さんは
小さい方の氷塊の
彫刻を進めている。
a0155104_23532996.jpg



小ぶりの平ノミを使って
大まかな形を彫り出していく。
a0155104_00021013.jpg




形が見えてきた。

鋭利なノミで削られた氷は
そこだけ油を塗ったような光沢を持って輝く。
完成後の透き通ったツヤとは違って、
制作中でしか味わえない美しさだ。
a0155104_00032315.jpg




ノミで削った氷は、
細かな平面で構成された多面体だ。

そこで、研削用のドリルで
多面体の角を落とし
曲面を出していく。
a0155104_00064649.jpg




人の頭部が
現れてきた。
a0155104_00114035.jpg




そしてまた、平ノミで削る。

平田さんの表情から
渾身の作業であることが
伝わってくる。
a0155104_00133234.jpg


a0155104_00171791.jpg



氷彫刻は3Dプリンターで模型を制作するように
はなから完全な形で姿を現すわけではない。

全体のバランスを見つつ
削っては修正、削っては修正を繰り返しながら
完全な形へと徐々に近づけていく。

削りすぎてしまったら
もう後はない。

しかし、削ることに躊躇していれば
時間がなくなっていく。

「豪快かつ繊細に」という
二律背反を地で行く作業なのだ。
a0155104_00192513.jpg




制作開始から2時間余り。
時計は20時を回ろうとしている。
a0155104_00293050.jpg




観客の熱い視線を浴びながら
氷との格闘は続いている。
a0155104_00311959.jpg




― 【3】に続く ―

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by TamaWakaba | 2017-03-09 02:08 | 氷彫刻
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