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カテゴリ:安曇野の白鳥( 151 )

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安曇野の白鳥'15~'16 【2】

【1】 【2】


黎明。

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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM




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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





あっという間に白鳥のシーズンは過ぎ去ってしまいました。
現地に足を運べたのはごく僅か、
なんとも悔いを残すシーズンでした。
距離や時間や、その他制約が多すぎて、
白鳥達は遠ざかっていくばかりです。
それでも大好きな白鳥を
また以前のように撮影できる毎日を夢見ながら
今シーズンの撮影に幕を下ろしたいと思います。




近況:

最近、猛烈な風邪(インフルエンザではない)をひいてしまいまして、
約1週間寝込みました。
熱をはじめ諸症状が軒並みしぶとく、
私的には、ここ十数年で最悪の風邪だったと思います。
まだインフルエンザのほうがマシ、という感じです。

中でも一番困ったのは
鼻づまりでまったく嗅覚が消失してしまったことです。
私はどんなに熱があっても食欲は落ちないたちなのですが、
嗅覚がなくなると、その影響で味を判別できなくなってしまいます。
甘いしょっぱいという味自体は分かるのですが、
まったく味覚に奥行きがなくなってしまい、
何を食べても恐ろしくつまらない毎日に心が折れそうでした。

鼻が通って、嗅覚が戻ってきた時は
まるで暗闇に光が差すような感動がありました。
それが昨日のことです。

大切です、健康。


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by TamaWakaba | 2016-03-31 22:54 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(4)
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安曇野の白鳥'15~'16 【1】

【1】 【2】
長野県安曇野市豊科 犀川白鳥湖


暁に飛ぶ

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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM







なかなか撮りに行けない白鳥。
これでやっとシーズン入りです。
もはや安曇野は「遠征」と言っても過言ではない遠さですが、
なんとか脚を運べるよう努めます。

白鳥からしばらく離れていると
撮影の感覚が薄れてくるんですが
白く光る翼を見た途端、
一気に時間が引き戻されます。

私の写真は白鳥に育ててもらったようなものですから。
by TamaWakaba | 2016-01-21 23:55 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(2)
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安曇野の白鳥'14~'15【外伝】 さようならピーちゃん

【前編】 【後編】 【外伝】



2015年5月18日。

片翼の白鳥

ピーちゃんが

安曇野を去った。

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2010年1月30日

犀川白鳥湖のほとりで

すでに冷たくなっているところを

発見された。

キツネに襲われたのだという。

突然の別れだった。






今更ながら、ピーちゃんのことを繰り返し思い出す。

ピーちゃん。

君はやっぱり特別な白鳥だった。


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2010年1月23日





メスのコハクチョウ

ピーちゃんが生まれたのは

2003年の夏。

安曇野から遥か北の彼方、

北極圏の平原。

その秋、

両親や兄弟たちとともに

4000キロの空の旅をして

この安曇野にやってきた。

ピーちゃんにとって初めての渡りの旅。

そしてそれが、

最後の旅となった。





冬の安曇野は多くの白鳥たちで賑わう。

ピーちゃんもその中の1羽だった。

朝、白鳥たちはねぐらを飛び立ち、

数キロ離れた餌場である狐島の田んぼに向かう。

日中はその田んぼでのんびりと過ごし、

夕方、また仲間たちと一緒にねぐらへと帰る。

そんな日々が何日か続いた。





寒さが厳しさを増す12月のある日。

普段どおりの餌場への往復。

いつもの田んぼの周りを飛んでいた時のことだ。

突然、ピーちゃんの全身に衝撃が走った。

水田のあちこちに立てられた電柱。

その電柱を結ぶように、何本かの電線が渡されている。

ピーちゃんは飛行中に、その電線に衝突した。

飛ぶことにまだ不慣れだったピーちゃんは

目の前に迫る電線を避けることができなかった。

電線に翼を強く打ちつけたピーちゃんは

もはや飛び続けることはできず、

そのまま数メートル下のアスファルトに叩きつけられた。





白鳥たちが羽ばたく時の速度は

遅い時でも時速20キロは超えている。

さらに、鳥の骨格は

軽量化のため中空構造になっており、脆い。

ピーちゃんが電線に激突した時の衝撃は

ピーちゃんの翼を破壊するのに十分だった。

冷たいアスファルトの上で

血だらけになって横たわるピーちゃん。

空の向こうに、両親や仲間たちの声が遠ざかっていった。

その日、運命は一瞬のうちに

ピーちゃんから空を奪い去った。






飛べなくなった白鳥は弱い。

餌を求めて自由に移動することも、

外敵から咄嗟に逃げることもできない。

「飛べる」という最大の強みを奪われる時、

自然界において、それは死を意味している。

ピーちゃんはまさに、死へと向かう坂道をゆっくり転がり始めていた。

だがその時、

傷ついた身体が何者かに抱え上げられた。





ピーちゃんは心優しい人々によって

動物病院に運び込まれた。

右の翼が完全に折れていて、

その翼を切断しなければ、命が危うかった。

すぐに大手術が始まった。




手術は成功した。

瀕死のピーちゃんも人々に見守られながら

日に日に回復した。

あの日、電線の下で息絶えようとしていた1羽の幼鳥は

片翼の白鳥「ピーちゃん」として

二度目の命を与えられたのだった。

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2008年7月31日






ピーちゃんが寂しくないように、と

白鳥たちが餌を食べにやって来る狐島の田んぼのほとりに

ピーちゃんの保護舎が建てられた。


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2010年3月17日

春、夏、秋、冬、

ピーちゃんはこの保護舎で暮らした。

賑やかになる冬は、

田んぼにやって来る仲間たちと、声を合わせてはしゃいだ。

春になって

仲間たちが去った後も、

ひとりこの田んぼを見守った。


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2008年7月31日

季節が何回か繰り返されたころ、

ピーちゃんの保護舎に

同じく翼に怪我をした「福ちゃん」がやってきた。

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2009年12月19日

福ちゃんは白鳥としてのプライドが高くて

いつもピーちゃんはくちばしで突っつかれて、

教育的指導されることも多かったけれど

もう、ひとりぼっちではない。

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2009年12月19日





ピーちゃんは

爺ちゃんのことが大好きだった。

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2008年5月2日

爺ちゃんは狐島の田んぼにやって来る白鳥たちを

まるで自分の孫のように可愛がった。

雪の日も、風の日も、朝夕2回、

氷の張った冷たい田んぼに自ら入り

白鳥たちへの餌やりを欠かさなかった。

「米だけでは体に悪いから」

爺ちゃんは白鳥たちの健康を気遣って

自分の畑で青菜を育て、

それを白鳥たちに振る舞った。

白鳥たちが北に帰った後も、

一年を通して、ピーちゃん達の世話を続けたのは爺ちゃんだった。

そんな爺ちゃんにピーちゃんは

すっかり懐いていた。

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2009年11月3日

時折、爺ちゃんはピーちゃんの首の付根に触れる。

するとピーちゃんは、片方の羽根を一生懸命バタバタさせて喜ぶ。

白鳥が首の付根に触れさせるのは、完全に心を許した相手だけだ。

爺ちゃんとの肌での触れ合いは、

かけがえのない信頼の証だった。

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2010年1月10日

ピーちゃんは爺ちゃんにコーコーと鳴いて甘える。

爺ちゃんはそれに、おうよしよし、と答える。

形は違えど、それはまさに爺ちゃんと孫そのものだった。

ピーちゃんにとっては、自分の両親と過ごした時間よりも

爺ちゃんと過ごした時間のほうがずっとずっと長い。

ピーちゃんにとって爺ちゃんは

たった一人の家族だった。

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2010年1月10日





長い間、保護舎の中で暮らすうちに

ピーちゃんはいろいろな遊びを覚えた。

保護舎にかけられたビニール製のネットは

ピーちゃんにとって格好の遊び道具だった。

暇さえあれば、ネットをくちばしでパクパク。

次第にほころんでくるネットを飽きもせずについばむ。

紐が垂れてくれば、それをさらに引っ張る。

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2010年1月10日

爺ちゃんや白鳥の会の人達が

幾度となくネットを繕っても

ピーちゃんはお構いなしだ。

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2009年12月12日

そのうち、間断なきピーちゃんの攻撃に耐えかねて、

ネットのあちこちに穴が開き始めた。

ピーちゃんは悪びれるでもなく、

むしろ満足気にその穴から顔を出すのだった。

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2011年7月7日

保護舎に近づいていくと、

ピーちゃんが穴からひょっこり顔をのぞかせ、

「コー」と一声鳴く。

こんにちは、とでも言っているようだった。

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2009年12月6日

爺ちゃんこっちにこないかな。

遠くの畑で仕事をする爺ちゃんの姿を

ピーちゃんはよく目で追っていた。

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2009年12月6日





夏、白鳥たちの訪れる田んぼは

一面の緑に変わる。

保護舎の周りには

爺ちゃんの育てた夏の花が

一斉に咲いた。

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2008年7月31日

秋。

夏から秋の花へ。

風が少し冷たくなる。

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2010年9月25日

もうすぐ、冬と一緒に

仲間たちが戻ってくる。

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2010年9月25日

冬。

ずっと静かだった田んぼが

再び仲間たちの声で満ち溢れる。

ピーちゃんも保護舎の中で

仲間に負けじと

片翼でバサバサと羽ばたいてみせた。


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2010年12月6日

時折、雪が辺りを白く染めた。

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2009年12月19日


そして季節が何度も何度も

巡っていった。

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2011年7月7日





2014年1月。

安曇野で過ごす11回目の冬。

だが、保護舎にピーちゃん達の姿はない。

この時期、多くの白鳥たちで賑わっているはずの田んぼにも

白鳥の気配はない。



すでに高齢だった爺ちゃんは

この冬、体調を崩した。

大好きだった白鳥たちの世話が

できなくなった。

ピーちゃんたちも

ここにいることはできなくなった。


静まり返った田んぼの片隅に

ピーちゃんたちが暮らした保護舎だけが

ひっそりと立っている。

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2014年1月2日

いつもネットを突いて破ってしまうピーちゃんのために、と

プレゼントされた遊び道具が

風に揺れていた。


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2014年1月2日

初めて見る

白鳥たちのいない

狐島の田んぼ。

あの賑やかな冬はもう

帰ってこない。






ピーちゃんたちの引っ越した先は

毎冬多くの白鳥たちが集う

犀川白鳥湖のほとり。



屋根のない空を見るのは

何年ぶりだろう。


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2014年1月2日

ピーちゃんたちは

自由になった。

でもここには、

危険から守ってくれる家はない。

大好きな爺ちゃんもいない。

この場所で、暮らしていけるだろうか。


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2014年1月2日

そんな皆の不安をよそに、

ピーちゃんは

すこぶる元気な姿をみせてくれた。

人間を怖がらない、不思議な白鳥たち。

観光客のアイドルになった。

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2014年1月2日

3羽の中でもピーちゃんは別格で、

自分を白鳥と思っていないフシがあった。

日中は、観光客用の駐車場を

パトロールするかのように歩きまわり、

ベンチの上に置いてあったカメラマンの機材を

くちばしで引っ張って地面に落としてみたり、

からかい半分に白鳥に手を出す人間の子供に

教育的指導をしたりしていた。

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2014年1月2日


その堂々たる暮らしぶりが

頼もしかった。


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2014年3月15日

いろいろな面で白鳥離れしていたピーちゃんだが、

その一方で、白鳥としての魂も忘れてはいなかった。

仲間たちが北の果てに去り、

静けさを取り戻した白鳥湖。

春の日差しの中で、

ピーちゃんが勢い良く水面を蹴る。

片方だけの翼で懸命に羽ばたきながら、

何度も何度もよろめきながら、

それでも前へ前へと進む。

いつか、仲間たちと再び大空へ舞い上がる日のために。

たとえそれが、決して叶わぬ夢だとしても。

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2014年4月5日

夏。

黒々とした濃い緑に包まれる白鳥湖のほとり。

何度かふらりと一人旅に出かけて

何日間も姿を見せず

皆を心配させたピーちゃんだったが、

そのたびにケロリとした顔で帰ってくるのだった。


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2014年6月28日


そんなピーちゃんのたくましさに驚かされたが、

草むらでくつろぐピーちゃんの顔をふと見ると、

そのくちばしにはいつの間にか、

細かなしわが幾重にも刻まれているのだった。

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2014年6月28日

そうか。

ピーちゃんはもう10年も生きているのだ。

人間で言えば、すでに80歳を越えた、

立派な婆ちゃんなのだ。

ピーちゃんも、

いつしか大好きな爺ちゃんと

同じ年頃になっていたのだ。

爺ちゃんと孫の関係も、

爺ちゃん婆ちゃんの間柄になってしまった。

「でも、私はまだまだ元気」

ピーちゃんは、そんなふうに

首をすっと伸ばして立っていた。

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2014年6月28日

これが、私にとってのピーちゃん最後の写真だ。

この後も、何度かピーちゃんには会いに行っている。

その度、ピーちゃんは出かけて留守だったり、

カメラを持っていなかったりで、

その姿を写真に残すことはできなかった。





2015年5月20日。

『コハクチョウ「ピーちゃん」天国へ』

朝刊の紙面で、ピーちゃんの死を知った。

馴染みのAさんの話では、

ピーちゃんは白鳥湖のほとりに葬られたとのことだった。




久しぶりの犀川白鳥湖。

白鳥たちの姿は見えなかった。

ピーちゃんの死後、福ちゃんともう1羽の白鳥もこの場所から

犀川の下流へと去っていったという。

白鳥がいない夏の安曇野。

見慣れぬ景色だ。

ピーちゃん!と呼べば

いつものようにそこら辺の茂みから

「コー」と鳴きながらピーちゃんが顔を出すような気がした。

でも、白鳥湖のほとりは

いつまでたっても静まり返ったままだった。


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白鳥たちが集う餌場の横に

ピーちゃんの墓はあった。

「ピーちゃんと名も無き仲間達ここに眠る」

大きな丸太を刻んだ、立派な墓標の前に

何輪もの野の花が手向けられていた。

ピーちゃん、

君は最後まで、皆に愛された白鳥だった。


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君のいない安曇野は

ほんとうに寂しい。

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これからも多くの仲間たちが

この場所を訪れることだろう。

どうか、この場所から見守ってほしい。

仲間たちの旅の無事を、

人間と白鳥との愛おしい関係が、

この先もずっと続いていくことを。






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ピーちゃん。

君のことはずっとずっと忘れない。

ありがとう。

さようなら。




この記事を

ピーちゃんと、安曇野を訪れる全ての白鳥たちに捧げる。

球 わかば







~ あとがき ~

野生に生きる白鳥として、本来であれば
「死すべき鳥」であったピーちゃんが
ここまで命を繋いできたのは
多くの方々の尽力があったからで、
感謝の思いは絶えません。

白鳥の会の方々はもちろんのこと、
長年、ピーちゃんに寄り添った爺ちゃん、
爺ちゃんが体調を崩した後、
世話を引き継いだ山本さん。
ピーちゃんは山本さんにもよく懐いていました。

ピーちゃんについてまず思い出すのは
ピーちゃんが「人間とコミュニケーションをとろうとする」白鳥だった、
ということです。

人間には人間の言語とコミュニケーション方法があり、
それは、白鳥もまた同じで、相容れるものではありません。
人間が白鳥の群れに呼びかけても、白鳥は素知らぬ顔です。

しかし、ピーちゃんは違いました。
幼鳥の頃から人間に接していたピーちゃんは
白鳥と同じく、人間も自分の仲間だと思っているようでした。
保護舎の前で、「ピーちゃん!」と呼びかけると、
いつも「コー」と一声鳴いて応えてくれました。
また、爺ちゃんが世話のため保護舎の中に入ると、
翼をバタバタさせて大喜びしました。
人間もピーちゃんを愛し、ピーちゃんもまた人を愛していたような気がします。
それは、人間と白鳥の幸せな一つの関係でした。

そんな白鳥離れしていたピーちゃんは
やはり野生の白鳥から見れば異端児であり、
同居の福ちゃんからは頻繁に怒られていましたが、
長年同じ屋根の下で暮らすうちに
福ちゃんもピーちゃんに対していつしか寛容になっていきました。
その辺の人間臭さも、なんとも微笑ましいものでした。

以前、爺ちゃんからピーちゃんのことをいろいろ聞きました。

ピーちゃんを保護した当初、
保護舎の中だけでは可愛そうだ、と
日中、田んぼに仲間たちが来ている間だけ
ピーちゃんを田んぼに放ち、自由にさせたことがありました。
しかし、片翼のピーちゃんは必然的に
野生の白鳥の中では最弱の存在となってしまい、
仲間たちから激しくいじめられたそうです。
しかし、ピーちゃんは
夕方になってその仲間たちがねぐらに帰ってしまうと、
田んぼから上がって、
飛べない身体で、アスファルトの道路を
トコトコ歩いて仲間を追いかけました。
そのピーちゃんの姿がなんとも切なかった、と爺ちゃんは言います。
それから、ピーちゃんは保護舎の中だけで暮らすようになりました。

その後10年近く保護舎で暮らしたピーちゃんですが、
最後は野生の白鳥として、広い空の下で一生を終えました。

長年の人間との生活で、
白鳥ばなれしていたかのように見えたピーちゃんも
全く野生を失ってはおらず
むしろ、驚くべき生命力を我々に見せてくれました。

白鳥の生命力は
我々が考えているほど
脆弱なものではありません。
人間が多少働きかけたからといって
直ちに失われてしまうものでもありません。

ピーちゃんは
人間と白鳥の関わり方について
我々に問いかけます。

白鳥たちには極力干渉せず、放任するのが最善なのか。
餌付けは悪なのか。
そもそも、野生とは何か。

白鳥と人間、
互いに感情を持つ生命として、どう関わっていくべきなのか。

安曇野の白鳥を取り巻く状況は
年々変わりつつあります。
以前のように、人と白鳥が身近に触れ合うことも難しくなりました。
しかし、白鳥と人間の関わり方については
まだまだ議論が尽くされていないように思います。
そういう状況の中、
白鳥たちとの関わりが紋切り型に制限されていくことに
私は強い疑問を感じています。

11年間、この安曇野で暮らしたピーちゃんから
学ぶべきことは、まだまだ沢山あります。

私は、白鳥を愛するひとりの人間として
我々と白鳥がより良く共存できる安曇野の未来を
願ってやみません。


球わかば
by TamaWakaba | 2015-06-28 14:01 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(4)
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安曇野の白鳥'14~'15 【前編】 

長野県安曇野市明科





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM







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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III







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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





~ 【後編】へ続く ~





by TamaWakaba | 2015-04-10 01:00 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(0)
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安曇野の白鳥'14~'15 【後編】



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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM






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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM



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by TamaWakaba | 2015-04-10 00:59 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(0)
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安曇野の白鳥'13~'14 【15】 春、それから。

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】 【11】 【12】 【13】 【14】 【15】 完結
長野県安曇野市豊科・穂高北穂高


4月。

北帰行が終わり
再び静けさを取り戻した
白鳥湖のほとり。

ピーちゃん、フクちゃん、のぶちゃん。

怪我で飛ぶことのできない
3羽の白鳥が
この安曇野に留まる。

最初はどこか
よそよそしかった3羽も今は
仲良く日向ぼっこをする仲になった。

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ピーちゃん。

失踪騒動の後は
少し大人びた様子で
穏やかに暮らしている。

もう皆を心配させないでおくれ。

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フクちゃん。

保護舎にいた頃の警戒心も解けて
人が近づいてもあまり怖がらなくなった。

とはいえ、
「なんか面倒くさそうな人間が来たなぁ」
という素振りはされてしまうのだけれど。

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カメラを持った人間を横目に
億劫そうに腰を上げ
そのまま水面へ。

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水に入るのも
3羽一緒だ。

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フクちゃんとのぶちゃんが連れ立って
水面を泳ぎだした。

「ちょっと待ってー」
と言いたげに後を追うピーちゃん。

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3羽は水面を泳ぎまわりながら
首を縦に振って短く鳴き交わしている。

飛び立つ合図の鳴き方だ。

しかし、

3羽は皆、飛ぶことができない。

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フクちゃんが呼びかける。

「飛ぼうよ!飛ぼうよ!」

そういうメッセージだとはっきりわかる。

のぶちゃんもピーちゃんも
フクちゃんの呼びかけに応えて
首を縦に振り続ける。

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フクちゃんとのぶちゃんが
同時に水面を蹴った。

白い飛沫が上がる。

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水面を走りながら、
力強く羽ばたく2羽。

フクちゃんの翼は歪んでいる。
のぶちゃんは左翼の半分がない。

いくら羽ばたいても
その翼に
彼らを空に押し上げるだけの力はない。

けれど、
2羽は
諦めずに羽ばたく。

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宙に浮かぶことができないまま

のぶちゃんは池の半分ほどを、
フクちゃんは池の端までを、
懸命に走った。

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2羽のその様子を
ピーちゃんは少し離れて見ていた。

そして、

2羽が走り終えたその直後、

ピーちゃんも水面を蹴ったのだ。

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ピーちゃんは
右翼が根元からない。

大きく羽ばたくだけで
身体の重心が崩れてしまう。

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まっすぐに水面を走ることすらできないが、
それでもピーちゃんは
片翼でもがくようにして羽ばたきながら、
全力で走った。

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飛べない3羽の白鳥は
それからまた岸辺に集まって
羽繕いを始めた。

飛べなくても、
翼は白鳥の命だ。

いつか風に乗るその日まで
手入れは欠かさない。

長い間地上に降りてはいるけれど
空をゆく鳥の魂は忘れてないんだぞ、
とでも言うかのように。

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白鳥たちは
私達が想像しているよりも
ずっと強く、たくましい生き物なのかもしれない。

彼らの生きざまをみて
そう思わずにはいられないのだ。

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白鳥湖のすぐ近く、

土手のスイセンが
花を咲かせている。

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春がやってきた。

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北穂高、
狐島の水田。

ピーちゃんとフクちゃんが去った保護舎。

この冬の大雪で大きく壊れた。

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白鳥たちが訪れぬまま
春を迎えた水田。

この場所に立つと、
あの賑やかだった日々が
今も目に浮かぶ。

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すっかり春色になった空を
ツバメが矢のような速さで飛んでゆく。

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こうしている間にも着実に、
季節は春へ、夏へ、
そして次の冬へと
進んでいる。

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色々なものが変化し、失われ、
やがて忘れられていくけれど、

白鳥たちは
今日もこの空のどこかで
命をつなぎながら
たくましく生き続けている。

そのことだけは
変わることがない。

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だからせめて私達も
前を向いて歩いて行こうと思う。

次の冬に
また彼らに会えることを
心待ちにしながら。





~ 完 ~



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by TamaWakaba | 2014-04-29 22:38 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(2)
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安曇野の白鳥'13~'14 【14】 北帰行

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長野県安曇野市明科



3月中旬。

風はまだ
頬を刺す冷たさをはらんでいたが
太陽は日毎に
春特有の粉っぽい眩しさを増していた。

いつものように
水面から飛び立つ白鳥たち。


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珍しく、
大勢が一気に飛び立つ。

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池を見下ろしながら旋回。

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北アルプスを横目に
高度を上げる。

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普段はこの高さを保ったまま
少し離れた餌場に向かって飛んで行く。

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だが今日は、
いつもとは飛び方が違っている。

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螺旋状に旋回しながら
みるみる高度を上げていく彼ら。

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やがて群は
V字編隊となった。

彼らが空を旅する時の隊列だ。

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いよいよ
別れの時。

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遙かなる高みを
北へ。

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彼らが空の青に溶けて
見えなくなるまで
見送った。

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さようなら。
また会う日まで。


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by TamaWakaba | 2014-04-27 05:29 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(6)
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安曇野の白鳥'13~'14 【13】 離水2

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長野県安曇野市明科<



白く大きな翼を目一杯に広げ
全力で空へと駆け上がっていく姿は
何度見ても
美しいと思う。

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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF300mm F2.8 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF300mm F2.8 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM



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by TamaWakaba | 2014-04-22 11:37 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(0)
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安曇野の白鳥'13~'14 【12】 水面にて~羽繕い~水浴び

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長野県安曇野市明科



水面で
悠々自適に過ごす彼ら。

しかし、

羽繕いの時だけは
いつも真剣そのものだ。

念入り過ぎるほど念入りに、
常に手入れを怠ることはない。

彼らにとって
翼は命と同じなのだ。


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EOS7D + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF500mm F4 L IS USM



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by TamaWakaba | 2014-04-21 14:17 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(0)
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安曇野の白鳥'13~'14 【11】 大雪の安曇野

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長野県安曇野市明科




この冬、
安曇野にも
信じられないような大雪が降った。


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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III + EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS5D Mark III +EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III +EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III +EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III +EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III +EF500mm F4 L IS USM





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EOS5D Mark III +EF70-200mm F2.8L IS II USM





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EOS5D Mark III +EF70-200mm F2.8L IS II USM + EXTENDER EF2×III





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EOS7D + EF300mm F2.8 L IS USM





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EOS7D + EF300mm F2.8 L IS USM





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EOS7D + EF300mm F2.8 L IS USM





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EOS7D + EF300mm F2.8 L IS USM + EXTENDER EF2×III





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EOS7D + EF300mm F2.8 L IS USM + EXTENDER EF2×III





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EOS7D + EF300mm F2.8 L IS USM + EXTENDER EF2×III





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EOS7D + EF300mm F2.8 L IS USM + EXTENDER EF2×III





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by TamaWakaba | 2014-04-19 13:47 | 安曇野の白鳥 | Trackback | Comments(2)
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こんにちは。 懐かしい..
by none33 at 13:58

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