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2014年 02月 24日

長野灯明まつり2014

長野市 第十一回 長野灯明まつり


2月15日 夜。
大雪後の善光寺にて。

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EOS5D Mark III + EF35mm F1.4L USM + ブラックミストNo.1




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EOS5D Mark III + EF35mm F1.4L USM + ブラックミストNo.1







【近況】
氷彫フェスタの記事をアップした後、
かなりの「燃え尽きた感」に支配されグッタリしておりましたが、
そろそろ再起動します。

各地を襲った大雪は長野市でも猛威をふるい、
主要道路の移動でさえままならない状況でしたが、
この大雪の善光寺を撮り逃したら次はいつ撮れるか・・・
と思いたち、欲を出して行ってきました。

いろんな撮影スタイルで撮っていますが、
やっぱり気ままなスナップは心底癒やされます。
撮影で燃え尽きた気力が撮影で蘇生するという、
写真バカっぷりが我ながら微笑ましい限りです。

告知ですが、
松本空港と穂高(ビレッジ安曇野)で「白鳥飛来30周年記念写真展」が開催され、
私も穂高会場に2点出品する予定です。
展示期間は
松本空港は2月28日から3月9日、
ビレッジ安曇野は2月27日から3月6日
となっています。
お近くの方はぜひ。


 

by TamaWakaba | 2014-02-24 22:46 | EOS5D Mark III | Trackback | Comments(2)
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【1】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】
第28回 国宝松本城氷彫フェスティバル 全国氷彫コンクール


一度として同じ冬はない。

2014年1月25日。
連日の寒さがいきなり途絶えた。

松本城近くの有料駐車場に車を止め
ドアを開けた途端に、
ぬるい風が車内に吹き込む。
湿った土の匂いをはらんだ風。
春先の、雪解けの頃の風とよく似ている。

天気予報は今のところ的中。
この後、夜半にかけての気温は4度から8度で推移、
未明にかけては弱雨が見込まれている。

終始0度近くで行われた2年前の大会も厳しい戦いだったが、
今回はさらに、2年前とは比べ物にならないほど暖かい。
そもそも、この状況で氷彫フェスタは開催されるのだろうか。
開催されたとしても、続行不能となるのではないか。

意気込みや期待よりも
不安のほうが先に立つ。


午後5時43分。
松本城公園・本丸庭園。

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各所に並べられた沢山の角氷。

照明に電力を供給するディーゼル発電機が騒々しい音を立て、
いがらっぽい排煙を吹き上げる。

競技開始前の慌ただしさを目の当たりにして
とにかく大会がスタートすることにまず安堵する。


お堀に沿って設けられた会場の東端に、
平田さんを見つけた。

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黒いニット帽を被った平田浩一さんは
ホテルニューオータニの氷彫刻職人。
そしてその傍らには帝国ホテルの専属氷彫刻職人である父、謙三さんの姿が見える。

2年ぶりに氷彫刻師親子のタッグが実現した。



午後5時45分、競技開始。
会場設営が順調に進み、予定よりも15分前倒しのスタートとなる。

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例年どおり、1チームあたり15本の角氷が提供される。
この15本をいかに使うか、
あらかじめ準備した設計図と照らしあわせて、
切り分ける寸法を決めていく。

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角氷に巻尺を当て、
センチ単位で長さを測る。

緊張感に満ちた綿密な計測作業。

一気に工具類の騒音が高まる場内の中で
平田チームにはいまだ無音の時間が流れている。

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表面処理。
角氷は一見して平滑のようでいて、表面には小さな凹凸や
分配過程での汚れが付着している。

角氷をこのまま組み上げてしまうと、
氷同士がうまく接合せず、氷彫が傾いたり
氷彫の中に汚れの筋が入ってしまうことになる。
表面処理は精密で美しい氷彫を作るために
欠かせない工程だ。

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氷の表面を慎重に確かめながら
作業が続けられる。

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午後7時。
イベントステージではお笑いライブが始まっている。

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賑やかな歓声をよそに
作業は淡々と続けられる。

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切断。

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組み上げ。

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角氷は1本の重量が135kg。
それを切断したとしてもまだ、
1個数十キロの重さがある。

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のしかかる重さに歯を食いしばりながらの作業。
彫刻というアーティスティックな響きとは裏腹に、
建築現場さながらの力仕事が要求される。

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正確な垂直を保って組み上げられる氷塊。
あの入念な下準備が
しっかりと生かされている。

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【2】に続く




【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】



by TamaWakaba | 2014-02-16 10:09 | EOS5D Mark III | Trackback
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【2】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


午後7時30分。
手持ちの温度計は摂氏8度の辺りで止まったまま、
全く動く気配がない。

水は凍るどころか
容易に融け出してしまう状況にある。

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角氷の組み上げ作業が続く。

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組み上げと並行して
氷の整形が始まる。

電動チェーンソーの唸りとともに
砕けた細氷が舞い上がる。

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組み上がった氷へのデッサン作業。

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浩一さんが三角ノミを使い、
氷の表面に筋彫りを施す。

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デザイン画を氷の上に
素早くトレースしていく。

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デザイン画を氷に転写する方法は、筋彫りの他にもいくつかある。

製作者によっては、赤色マーカーペンで氷に直接線を描いたり、
原寸大のデザイン画を直に氷に貼り付け、
すぐに彫刻を開始するチームもある。

ただし、それらの手法が上手く機能するのは
氷点下で氷の表面が乾いている場合に限られる。

今回のような高い気温で
氷の表面が溶けている場合、
有効な手立てはこの「筋彫り」しかない。

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筋彫りの施された氷塊。
まだ、どのように彫刻されていくのか
窺い知ることはできない。

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この後に控える彫刻作業で
筋彫りの細い線が薄れてしまわないよう
電動ドリルでなぞってさらに線を深くする。

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午後8時。
競技序盤の慌ただしさが残る会場。
まだどのチームも形は見えてきていない。

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ついに彫刻作業が開始される。

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筋彫りの繊細な線に
いきなりチェンソーの刃が入れられる。
作業効率はいいが、少しでも刃先のコントロールを誤れば
削りすぎてしまう危険をはらんでいる。

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デザイン画はあくまでも2次元平面図である。
それを3次元的にどう展開していくのか。

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大きな氷の矩形が
流れるようなチェンソーさばきによって
曲面を有した立体に変貌し始める。



【3】に続く




【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


by TamaWakaba | 2014-02-16 10:08 | EOS5D Mark III
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【3】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


デザイン画を確認する謙三さん。

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謙三さんは浩一さんとは別の氷塊の彫刻を始める。

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大胆かつ正確無比なチェンソーさばき。

浩一さんが氷彫刻の道を歩み始めたきっかけは
当時すでに日本の氷彫刻で名を挙げていた謙三さんだった。

今、この業界で双璧をなす親子。

その手さばき一つにも、
氷彫の遺伝子が確かに受け継がれていることを知る。

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やがて、謙三さんの前に
卵型の立体が姿を現した。

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謙三さんはすぐに
その立体にビニール袋を被せる。

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ビニール袋の中には、ドライアイスの欠片が幾つか入れられている。
つまりこれは、
この氷の立体を保存するための
「即席冷凍庫」なのだ。

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今回のような高温下では
彫刻した氷はすぐに融け始めその形を失い、
氷自体の強度も低下する。

作品の完成まで、造形し終わったパーツを
融かさずに維持していくこともまた
彫刻と並ぶ重要な作業なのである。

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午後8時30分。
平田ブースの前には
親子の技をひと目見ようと、
大勢の観客が列をなしている。


【4】へ続く



【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


by TamaWakaba | 2014-02-16 10:07 | EOS5D Mark III
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【4】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


気温の高さは
氷の表面にも如実に現れる。
例年であれば、鏡のように滑らかになるはずの断面。
ざらつき、湿り気を帯びている。

氷に満足の行く細工を施すには
最低でも気温が氷点下5度を下回ることが必要だとも言われる。

氷点下どころか10度近い気温の下、
氷を造形していくことの困難さは
想像に難くない。

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そして、氷はゆっくりと
だが確実に融けていく。

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製作開始から2時間半が経過。

電動工具の回転で舞い上がる砕氷が
頭上から雪のように降り注ぐ。

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チェーンソーを振り回しながら
氷塊に立ち向かうそのさまは
まるで
大きな氷の怪物に
斬りかかっていく剣闘士のようだ。

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氷の怪物との
戦いの勝敗は
まだ誰にも分からない。



【5】へ続く



【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


by TamaWakaba | 2014-02-16 10:06 | EOS5D Mark III
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【5】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


午後9時を回ると
観客の数も次第に少なくなる。
それぞれのチームは
ただ黙々と氷に向き合っている。

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浩一さんの彫刻していた氷塊からは
魚のヒレのような形が現れてきた。

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その表面に、浩一さんによる「ウロコ彫り」が始まる。

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このウロコ彫りは浩一さんの技の真骨頂とも言えるもので、
氷の上をドリルで素早くなぞるだけで、氷からみるみるウロコが生えてくる。

実際は彫っているのだが、見ている側の感覚としては「生えてくる」が正しい。

浩一さんは、氷の表面にウロコに見える筋をただ彫っているのではない。
彫られたウロコは、本物と同様に一枚一枚が独立し、
それぞれがウロコ特有の凹凸を備えている。

この形状を作り出すには、ある一定の角度でドリルを氷に当て、
斜めに生えた小さな氷板をまず作り、さらに表面を凹面に切削することが必要なのだが、
浩一さんはこの一連の動作を、いとも簡単そうに流れるようにして一気に行うのだ。

さらに氷の曲面や部位に応じて、ウロコの大きさや角度を微妙に調整しながら彫り進め、
気がつけば、いつの間にか平坦だった氷の表面は今にも動きだしそうなウロコにびっしりと覆われているのである。

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ウロコ彫りを施された氷彫。
コンセプトが次第に明らかになってくる。

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氷彫製作が決して楽な作業ではないことを
謙三さんの表情が物語る。

製作が進むに従って、作業場には切削した氷屑が溜まる。

この氷屑を片付けるのも、また重要な作業だ。

歯を食いしばり、
体力をすり減らすような肉体作業が明け方まで続くのだ。

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午後10時。

ついに、恐れていたものがやってきた。

雨。

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会場を照らす照明に白い筋を曳きながら
明らかに雪ではないはっきりとした速さを持って
落ちてくる水滴。

このまま、なんとか雨脚が強くならずにいて欲しい。

そう祈ることくらいしか術はない。




氷彫の仮切断作業が始まる。

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平田さん親子は大きな作品を作る場合、
最初から最大の高さまで氷を組み上げることはせず、
別々の部品に分け、おおまかな細工を施してから
一体の氷彫として統合する方法を取る。

しかし、別々に細工した部分といえども、
数十キロある氷をそのままひょいと持ち上げて
所定の高さに組み上げるということは
重量においても細工後の強度においてもかなり困難である。

主催者側の用意するフォークリフトの力を借りるという手もあるが、
どうしても手作業にはない、予測不能なリスクを伴う。

ギリギリの製作時間の中、主要な部品が壊れてしまえば
復旧することは限りなく難しい。

そこで、彼等は造形した部品を、
角氷の筋目にそって手で持ち運べる大きさに一旦分解し、
それをまた一体のものとして接合し直すのである。


筋目にそって慎重にノコギリを入れる。

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切り離した部品は、溶けてしまわないよう
ドライアイスの入った「即席冷凍庫」で
大切に保管する。

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分解と再接合の手順について、
何度も検討が入る。

摂氏10度近い高温下での作業。
手順ミスは命取りになりかねない。

熟練の親子といえども
慎重にならざるをえないのだろう。

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次々と分解されていく氷塊。

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二人がかりで
大切に運ばれる。

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氷の切断面にはドライアイスが載せられる。
これは、氷同士を再接合させる際、
接合面の温度が低ければ低いほど、
素早く強固に接着できるためだ。

いわば、「氷の傷を早く癒やす」ための手当なのである。

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先ほどまでのなだらかな姿の氷はもうどこにもない。

完成形まで直線的に進んでいかないところが
平田流氷彫刻の不思議でもあり魅力でもあるのだ。

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【6】に続く




【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


by TamaWakaba | 2014-02-16 10:05 | EOS5D Mark III
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【6】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】

分離した部品の組み上げが始まる。

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氷を分離する時だけではなく、
氷同士を接合させる時にも、
氷と氷の間にノコギリの歯を通す。

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謙三さんが角氷を削っている。
といっても、何かを造形するためではない。
チェーンソーの真下にはビニール袋が置かれ、
氷の削り屑を集めている。
重要なのは、この削り屑だ。

氷同士を接着する際、どうしても隙間の空いてしまう箇所がある。
それを放置すると、その隙間が原因で、
氷彫が変形したり、最悪の場合には崩壊する危険が出てくる。

そこで、
氷の削り屑に水を加えた、いわゆる「氷のパテ」を作り、
氷の隙間に塗りこむのである。

隙間に入り込んだパテはやがて周囲の冷気によって再氷結して、
氷同士をより強固に接着するのである。

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氷のパテを塗りこんだ後に、
コールドスプレーを吹きかける。
周囲の冷気に依らず、パテは一瞬のうちに氷結する。

コールドスプレーという「氷の瞬間接着剤」。
平田親子の必殺技だ。

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午後11時。

雨が少しずつ強くなってきている。

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高さを増す氷彫。
組み上げは最終段階に入る。

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ここで、ついにフォークリフトが使われることになった。
気温の高さや、氷の強度を考えてのことだろう。

謙三さんは荷台の上に、
浩一さんは本体の後ろで部品を待ち受ける。

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浩一さんが乗っているのは
三段重ねのビール箱。
少しの体重移動でグラグラと揺れ動く。

心配そうに見守る観衆。
緊張感が一気に高まる。

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無事に接合が完了。

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午後11時30分。
本降り。

どこからどう見ても、もう「弱雨」というレベルではない。


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しかし、

大会中止のコールはない。

作業の手を止めるチームもない。

平田親子も組み上げのため、
氷に張り付いたままだ。

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言葉はない。

工具と降りしきる雨の音だけが聞こえる。

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午後11時42分。

組み上げ作業完了。

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氷彫製作は折り返し地点に差し掛かる。


【7】に続く



【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


by TamaWakaba | 2014-02-16 10:04 | EOS5D Mark III
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【7】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】

夜半の雨に
どのチームも苦戦している。

雨は表面に施した細工の角を丸め、
着実に氷を侵食していく。

対処を誤れば、
製作終了を待たずに崩壊の可能性さえある。

作ること以上に
造形を維持していくことを念頭に置く必要が出てきた。

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氷彫にブルーシートが掛けられる。

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昨年も、そのまた前の年も
平田さんはこのブルーシートを持参していた。
遠征するにはかなり大きな荷物なので不思議に思っていたが、
こういう時のための装備だったのだ。

他のチームも雨に対する防護策を講じてはいるが、
ここまで本格的で大規模な対策を行っているのは
平田親子だけである。

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雨が止むのを待っている暇はない。

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必要な部分のブルーシートをめくり上げ、
彫刻を再開する。

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雨は氷だけでなく

気力も体力も侵食していく。

終始、浩一さんは苦悶の表情を浮かべている。

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【8】に続く



【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】



by TamaWakaba | 2014-02-16 10:03 | EOS5D Mark III
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【8】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


午前0時。

叩きつけるような雨。

松本城のお堀の水面に白い飛沫が立つ。


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雨と氷との
三つ巴の戦いは続いている。

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追い打ちを掛けるようにして、
猛烈な風が吹き始める。


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ブルーシートが風にあおられ
飛ばされそうになる。

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そのたびに
氷彫によじ登り、シートをかけ直す。

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氷を彫っているというよりも、
難破しそうな船の上で
嵐と戦っているような修羅場である。

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謙三さんもまた
雨と闘いながら
氷を彫る。

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氷の海亀だ。

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大切に即席冷凍庫へと
保管される。

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ブルーシートの下からも、
別の海亀が姿を現している。

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午前2時。

雨は小康状態に。

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氷彫製作も佳境を迎える。

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【9】に続く



【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】


by TamaWakaba | 2014-02-16 10:02 | EOS5D Mark III
2014年 02月 16日

平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』 【9】

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】




渾身。
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謙三さんが序盤に彫り上げた
卵型の立体。

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頭とヒレが接合され
大きな海亀になった。

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ブルーシートが取り払われる。

ついに
氷彫の全体像が見えた。

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しかし
またもやの雨。

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氷彫の完成を阻むかのように
強さを増しながら降ってくる。

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最も脆い部分にも
ウロコ彫りが施される。

もう、後戻りはできない。

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懸命の仕上げ作業。

雨が音を立てて降っている。

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謙三さんが彫った大きな海亀の上に
大切に保管してあった。小さな海亀が載せられる。

親子亀。

気温が高く氷が脆いこの状況で
繊細に加工された海亀を、
さらに立体的に重ねあわせる。
氷彫刻の常識では考えられない技巧だ。

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子ガメの背中に
最後の仕上げが施される。

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雨が上がった。

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気温、
摂氏7度。

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1月26日、
午前5時30分。

氷彫
『遊泳』

完成。

12時間の戦いが終わった。

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休む間もなく
後片付けに入る。

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いつもなら凍りついているはずの工具も
雨の名残に濡れている。

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夜は長かったのか短かったのか
それすらも
よく分からないほど
疲労が全身にまとわりついている。

戦いを終えた親子に
言葉はない。


【10】に続く



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by TamaWakaba | 2014-02-16 10:01 | EOS5D Mark III


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