さようなら相棒


10年連れ添った相棒に
別れを告げた。

トヨタ ist 。

初めての新車。


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EOS5D + EF70-200mm F4L IS USM

クルマなんかに
なんの興味もなかった私に
「どうせだったら1500ccの力のある奴買っとけ」
という父の言葉。

そしてある春の日
彼は
私のところにやってきた。


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EOS5D Mark II + EF500mm F4 L IS USM

一緒に走り始めた日。
これで1500ccなのか、と疑いたくなるほど
彼ははもっさりとしか走らなかった。

やっぱ、クルマなんてこんなもんなのかな、
と思った。


a0155104_20361629.jpg
EOS5D + EF50mm F1.2L USM

買ったそのまんまで、
クルマが良く走ると思ったら大間違いだぞ。

洗って磨いて、
パーツ変えて、
メンテナンスして、
可愛がってやって初めて
クルマはしっかり走るようになるんだ。

車好きの上司は言った。


a0155104_20361220.jpg
EOS5D + EF135mm F2L USM

休日。

彼に初めてワックスをかけた。

ツヤツヤになったボンネットの上に
落とした水が
ガラス玉みたいになって
転がっていった。

ちょっとだけ
彼のことが
可愛くなった。


a0155104_2036730.jpg
EOS5D + EF300mm F4L IS USM

次は
エンジンルームをいじってみた。

アーシングして
点火プラグを交換した。

驚くほど
俊敏なクルマになった。

お前もなかなかやるじゃないか。


a0155104_2036277.jpg
EOS5D + EF50mm F1.2L USM

ヘッドランプのHID換装

燃料、オイルの添加剤

時には

ちょっとトンデモなグッズまで、

試せるものはなんでも試した。

少し手を入れるたびに

ちょっとずつ
期待に応えてくれる

彼が

愛おしかったから。


a0155104_2035564.jpg
EOS5D + EF135mm F2L USM


いろんな場所へ
共に
旅した。



朝日の高原へ。

a0155104_20355123.jpg
EOS5D Mark II + EF70-200mm F2.8L IS II USM


秋が近づく
山の道へ。


a0155104_20354212.jpg
EOS5D + EF180mm F3.5L Macro USM


夕闇せまる家路。


a0155104_20345575.jpg
EOS5D + SIGMA 15mm F2.8 DIAGONAL FISHEYE


青い月の夜へ。


a0155104_20345358.jpg
EOS5D Mark II + EF24mm F1.4L II USM + プロソフトンA


ススキのたなびく
田んぼ道へ。


a0155104_20344931.jpg
EOS5D Mark II + EF135mm F2L USM


限りなく遠くまで

望んだ場所へと

私を
運んでくれた。

何万枚もの写真は
このクルマなしでは
決して撮れなかったものばかりだ。

彼は最高の
アシスタントだった。


a0155104_20344416.jpg
EOS5D Mark II + EF70-200mm F2.8L IS II USM


大粒の雨を
弾き返す
銀色の背中。


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EOS5D + EF100mm F2.8 USM


湧き上がる
真夏の雲を、


a0155104_20344079.jpg
EOS5D + EF24-70 F2.8L USM


ため息の出るような
夕焼け空を、


a0155104_20343812.jpg
EOS5D Mark II + EF35mm F1.4L USM


山に降る
初雪を、

一緒に眺めた。


a0155104_20343784.jpg
EOS5D Mark II + EF35mm F1.4L USM


小さなお客を
乗っけてドライブしたことも。

すべてが、
何もかもが
懐かしい。


a0155104_20343497.jpg
EOS5D Mark II + EF100mm F2.8L Macro IS USM


桜舞う
よく晴れた日。

最後の
ドライブに
出かけた。


a0155104_20343082.jpg
EOS5D Mark II + EF70-200mm F2.8L IS II USM


まだピカピカだった頃と
変わらぬ
軽快な足取りで
彼は走った。

「まだまだボクは大丈夫だよ」
と言っているようで、
胸が痛んだ。


a0155104_20342598.jpg
EOS5D Mark II + EF24mm F1.4L II USM


一緒に走った10年の日々。

このハンドルを通して

嬉しかったことも苦しかったことも

彼はきっと

感じ取っていてくれた。

そんな気がする。


a0155104_20342331.jpg
EOS5D Mark II + EF24mm F1.4L II USM


総走行距離
12万7176キロメートル。

もうこの数字が
増えることはない。

お疲れ様。
本当に
よく頑張ってくれた。








そして、

別れの日は
やってきた。


a0155104_20341813.jpg
EOS5D Mark II + EF50mm F1.2L USM


キャリアカーに載せられる彼を
ただ
黙って見ていた。


a0155104_20341677.jpg
EOS5D Mark II + EF50mm F1.2L USM


「やっぱり止めます。まだ乗ります」
そう言いたい気持ちで
一杯になる。


a0155104_20341473.jpg
EOS5D Mark II + EF50mm F1.2L USM


「それじゃあ、ありがとうございましたー」
業者ドライバーの声で
ふと我に返る。

キャリアカーのエンジンが
回転数を上げる。

ゆっくりと遠ざかっていく彼は
じっと
こちらを見ていた。

そして、
見えなくなった。

a0155104_20341231.jpg
EOS5D Mark II + EF35mm F1.4L USM + プロソフトンA


天気のいい
ドライブ日和には

ふと
今はもういない
彼のことを
思い出す。

高級車ではなかったけれど
君は
最高のクルマだった。

さようなら相棒。

一緒に走った日々は
とても
楽しかった。

本当に
ありがとう。


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by TamaWakaba | 2012-05-15 10:32 | その他 | Trackback | Comments(12)
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Commented by luxan at 2012-05-15 20:35
車とかメカニックなもの、金属的なモノに
愛着を感じる人(男性が多いようです)
の気持ちが全く理解できませんでした

この前の引越の時 長年苦楽を共にしてきた
冷蔵庫(*゜▽゜ノノ と別れることになり
金属に初めて未練を感じました(笑)
実に28年もの間家族の食糧庫として活躍し
まだまだ現役だったのに・・・
子供が小さかった頃に貼り付けていたシールをみつけ
思わず抱きしめて涙しました
「長い間ありがとうね ごめんね」と心の中で言いながら
外へ運び出したのをおぼえています
車と冷蔵庫は同じ金属でもちょっと違うかもしれませんが^^;

洗ったり磨いたりメンテナンスして
同じ時間を共有してきた物はもはやモノではなく
相棒になっていたのですね~
クルマを愛する男の気持ちがやっとわかりました
Commented by ichimatsu555 at 2012-05-15 23:00
愛車との別れ、本当に寂しいですよね。

私は前愛車との別れの時は涙出ました。。。
買い替えだったのでディーラーに新しい車と引き換えに置いて帰ってきたのですが
書類を書いたりしている間や新しい車の説明を受けている間は
全く前の愛車を見れませんでした。。。
(見たら涙出るので・・・)

車、ワックス掛けてあげたり色々メンテしてあげるのって
車にとっても本望やと思いますし、大事に乗るので安全面でも良い事ですよね。
Commented at 2012-05-15 23:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by azuminomasa at 2012-05-16 22:13
こんばんは
慣れ親しんだ車にはドラマがありますね^^ でもこれからは新車が
来るんでしょう? 新しく生まれるドラマの方もワクワクしますね^^
星が綺麗! 何かピッタリの場面かも^^
Commented by yukai~♪ at 2012-05-17 06:42 x
ご無沙汰しております。
そうでしたか。。。
とてもお世話になった、
あの楽しかった特別な日を思い。。。
ありがとうございました。
Commented by ルゥにゃん at 2012-05-18 22:34 x
切なくて切なくて、涙が出ました・・・。
仕方のないことだとわかっていても、とてもつらいことですよね。

私も、一昨年にお別れした「彼」のことを思い出しました。
いよいよお別れ、というときには後部座席に乗りゴロンと横になって、お礼とお詫び(ヘタクソな運転でゴメンねと)を言いました。
彼といると、いつも守られているような気がしていました。別れはとても悲しかったです。
悲しみの分、次のコを可愛がろうと思いました。

TamaWakabaさんと「彼」はとても素敵なおつき合いをなさってこられて、お互いに幸せだったんじゃないでしょうか。
そこまで可愛がってもらえる車ってそうそういないと思います。

私もいまの「彼」を大事にしますね。相変わらず運転は下手だけど。
Commented by TamaWakaba at 2012-05-20 21:43
ムジカさん
ありがとうございます。
冷蔵庫を28年!
使用の激しい家電がそれだけ壊れずに保つというのも、
ひとえにムジカさんが大切に、大切に使われたからに違いありません。
28年間、食料だけじゃなく、大切な思い出もしっかり保存してくれていたんですね。
古来からこの国には、長年使い続けたものに魂が宿る「九十九神(付喪神)」という言い伝えがあります。
実際にそういう霊的なものが宿るのではないとは思いますが、
大切にしてきたモノが、心のなかでモノ以上の存在になる感覚。
九十九神って、そういう感覚の延長線上にあるものだと思うんです。
クルマは特に、そんな感覚が強くなるものかもしれません。
Commented by TamaWakaba at 2012-05-20 21:55
ichimatsu555さん
ありがとうございます。
涙が出そうになる感じ、分かります(´;ω;`)
事情があって、家から離れた場所に駐車場を借りて置いておいたんですが、
廃車の日が近づくにつれ、クルマが一人寂しくしているような気がして、
何回も様子を見にいきました。
やっぱり一番つらいのは、別れの瞬間ですね。
「もうこのクルマには二度と乗れないんだ」
と思って、やっぱり涙が出そうになりました。
照れくさいですけど。
>メンテ
本当にそうですよねー。
クルマに愛情が湧きますし、普通に乗っていると見落としてしまうような不具合も発見できますね。
私は技術もないのにいろいろいじくり回して、いろんなところを壊しそうになって、滝のような冷や汗を出したことも・・・(笑)。
今となってはいい思い出です。
Commented by TamaWakaba at 2012-05-20 21:59
鍵コメさん
ありがとうございます。
10年間、本当にいろいろなことがありました。
あのクルマはこの10年間を、すべて見届けて去って行きました。
惜しむらくは、
写真を猛烈に頑張るようになってからは、あんまりワックスをかけてあげられずちょっと申し訳なかったですが・・・。
鍵コメさんも、愛車を大切にしてあげて下さいね(´∇`)
Commented by TamaWakaba at 2012-05-20 22:04
安曇野まささん
ご無沙汰しております。
まささんのブログで、残留組の白鳥たちの様子、いつも驚きつつ拝見してます。蝶撮りも精力的に続けておられるようで何よりです。
>新車
実は、いろいろな事情がありまして新車は来ません。
ですので、しばらくは思い出に浸る毎日です。
星の1枚は昨年、大峰で撮ったものです。
愛車との思い出の最後を飾るのにふさわしい雰囲気でしたので。

これから蝶の全盛期ですね!
ブログ楽しみにしております。
Commented by TamaWakaba at 2012-05-20 22:09
yukai~♪さん
ご無沙汰しております~。
yukai~♪さんは、
私のクルマに乗った数少ない人の中でも、さらにさらに稀少な、
「後部座席に乗った人」
なのです。
多分、この10年間で後部座席に乗ったのは両手で余るくらいの人しかいません。
とはいえ・・・
その節は長い距離を狭い後部座席で我慢していただき、大変失礼しました(^^;)
ホントに特別な1日でしたね。思い出すと今でも楽しくなります。
次に乗っていただく時は、もっとゆったりくつろいでいただけるクルマを・・・・・・買えるよう頑張ります(爆)
Commented by TamaWakaba at 2012-05-20 22:17
ルゥにゃんさん
ありがとうございます。
ルゥにゃんさんのおっしゃる「お礼とお詫び」、すごく分かります。
私も下手くそな運転で、いろいろ擦ったりぶつけたり、追突されて重症を負わせたり・・・クルマにはとても苦労をかけました。
最後のドライブでは、思わずハンドルを撫でながら「ご苦労様」と言いました。
クルマって、一緒に過ごす時間が長いだけではなく、自分の命を預けるものなので、なおさら愛着が湧くのかもしれませんね。
買った当時は、大きさの感覚(車幅とか車長とか)が分からなくて「乗り物」だったんですけど、10年乗るうちに自分の手足の延長のように思えてきたのも事実です。
だから別れる時は、なんだか自分の身が削られてしまうような気分になりました。
ぶつけてもこすっても、たくさん乗ってあげる事がクルマにとっては幸せなのかな、とも思います。
お互いドライブをたくさん楽しみましょう(´∇`)
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