2010年 10月 30日
「おかえり」を言うために
長野県安曇野市穂高北穂高 狐島水田
彼らが到着したと聞いて、
居ても立ってもいられず、
雨の中たどり着いた
狐島の水田。
彼らは今年もちゃんと
この田んぼに
戻ってきてくれていました。
彼らと過ごす
4度目の冬が始まります。
















EOS5D Mark II
EOS7D
EF70-200 F2.8L II USM
EF300mm F2.8 L IS USM
ほか
彼らが到着したと聞いて、
居ても立ってもいられず、
雨の中たどり着いた
狐島の水田。
彼らは今年もちゃんと
この田んぼに
戻ってきてくれていました。
彼らと過ごす
4度目の冬が始まります。
















EOS5D Mark II
EOS7D
EF70-200 F2.8L II USM
EF300mm F2.8 L IS USM
ほか
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by TamaWakaba
| 2010-10-30 22:56
| 安曇野の白鳥
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2010年 10月 27日
「おとーと」と旅する
「むちむちおとーと」と、もけけ達
「おとーと」と
秋を旅する。
おとーとは
いつも静かに微笑んでいる。














「むちむちおとーと」。
いつもお世話になっている『犬魂猫魂』の主、マキさんによる作品である。
『二人の兄弟が暮らす、ルーの丘。
そこには、猫も犬も、おばぁちゃんもグラマラスも、羊も恐竜も、
みんな仲良く暮らしている。
主人公は、『むちむちおとうとくん』5歳。知恵と勇気の男前。
その兄『アニ』大学生。料理上手の風流者。等々たくさん。』
~マキさんによるもうひとつのブログ『ルーの丘で』より抜粋~
「むちむちおとーと」は、マキさんの描くイラスト世界の主人公である。
『ルーの丘で』
グラフィックデザインを生業とするマキさんが描く、物語絵巻。
ブログ初出は2009年9月。
しかし、マキさんによれば、
おとーとの原型は20年前すでにあったのだという。
はなから子供や人間を描くのが好きだったマキさんの頭の中で、
長い時間をかけて、おとーとは形作られていった。
「子供のむちむちした感じが好き」
そういうイメージが核にあるとマキさんは言う。
そしてついに、おとーとはマキさんのイメージを抜け出し、
紙の上にその像を結ぶ。
今でこそ賑やかなルーの丘であるが、
おとーとが生まれた当時、
丘はまだ存在していなかった。
生まれたばかりのおとーとを前に
マキさんは思う。
「彼の住む世界を見たい」
そして、世界は生まれた。
瞬く間にルーの丘の世界は展開していった。
仲間が増えた。
なんとすでにマキさんの頭の中には、
ルーの丘世界の詳細な地図ができあがっているそうだ。
「GoogleMapみてると一日終わっちゃう」
無類の地図好きを公言してはばからない、
マキさんならではのエピソードである。
そして、
「むちむちおとーと」に2度目の転機が訪れる。
もけけ化。
おとーとは平面の世界から飛び出す。
フェルティングという造形技法がある。
フェルティングニードルという道具を用い、
羊毛をフェルトの塊へと形作る。
彫刻のように削り出すのでなく、
粘土細工のように盛り付けるのでもなく、
茫々とした羊毛の塊を
ささくれの付いた針で幾度となく突き刺しながら
形を作っていく。
それは大変根気の要る地道な作業だ。
フェルティングと出会ったマキさんが最初に作ったのは
手のひらサイズの「ミニおとーと」だった。
これは面白い、とマキさんは思った。
すぐに、
もっと大きなものが作りたい、と創作意欲が噴出した。
フェルティングの鬼となったマキさんは
相次いで
身長30センチ超の「でかむち」2体を世に送り出す。
「もけけ工房」の始まりであった。
私がはじめてこの「でかむち」と出会ったのは
今年の8月だった。
マキさん持参の「岡本太郎ゴミ袋」から
取り出された「でかむち」を手にしたとき、
私は驚いた。
フェルトの繊細な感触もさることながら、
その不思議な存在感に驚いたのである。
人形ではない。
かといってぬいぐるみでもない。
子供向けのおもちゃでも、
陳列して鑑賞するための美術品でもない。
そうか、「でかむち」は、
マキさんが羊毛で三次元空間に描いたイラストなのだ。
「こういうの作っておきながら、内心では『これってどうなのよ』って思ってるんですよ」
とマキさんは笑う。
人形ではないけれど、
分類上はどうしても人形の属性を与えざるをえない「でかむち」に
作り手自身が当惑しているのである。
マキさんが幼かった頃、日本中の女児は人形ブームに湧いていた。
友達のほとんどが某有名人形を手に遊びふけっていたとき、
マキさんはひとりその輪に入れずにいた。
人形はなんとなく苦手だった。
ぬいぐるみはこよなく愛したが、人形はなんだか怖い。
世間のブームをよそに、一向に人形遊びをしようとしない我が子を両親は案じたが、
そのたびに
「お人形さんはいらない」
と素っ気ない。
「でも、1度だけ人形をねだったことがあったんだけど」
それまで人形に見向きもしなかった我が子が
ある時、何を思ったか人形に興味を示したのだ。
彼女の父は喜んだ。
喜び勇んで発奮し、愛しい我が子のためにすぐさま人形を買い与えた。
しかし、
父が慌てて買ってきたのは
なんとケース入りのフランス人形であった。
娘はケースの前でしばし呆然とし、
青い目の人形にやや戦慄し、
すぐに興味を失い走り去った。
娘のために奮発した父の嘆息ぶりは
想像に難くない。
「『かわいい』っていうものを作りたいんじゃない」
とマキさんは言う。
「でかむち」が目指すのは人形ではない。
遊ばれるための、飾られるための
目的物たる人形とは違う。
やはり、この「でかむち」達は、
マキさんのイラストそのものなのだ。
「触ることのできるイラスト」なのである。
おとーとはいつも優しく微笑んでいる。
絶妙の笑みだと思う。
その笑みは
楽しさという外的要因から生じたものではなく、
むしろ、
全てを許容する、ありのままに受容する
そういう笑みであるように感じる。
弥勒菩薩みたいな、
そういう不思議な、魅力的な笑みなのだ。
いつもマキさんから
「引きの画も撮っておいてよ~」
と言われるが、
気づくと寄れるだけ寄って撮っている。
私の接写癖もあるのだろうが、
実のところ
この「でかむち」が私を引き寄せて離さないのである。
微笑の引力。
そういう力が
この「でかむち」にはある。
~告知~
11/6 『もけけ工房』が「渋谷てづくり市」に出展するそうです。
お近くの方は是非、手にとって御覧ください。
ちょっとノンフィクション風に迫ってみました(笑)
「おとーと」と
秋を旅する。
おとーとは
いつも静かに微笑んでいる。














「むちむちおとーと」。
いつもお世話になっている『犬魂猫魂』の主、マキさんによる作品である。
『二人の兄弟が暮らす、ルーの丘。
そこには、猫も犬も、おばぁちゃんもグラマラスも、羊も恐竜も、
みんな仲良く暮らしている。
主人公は、『むちむちおとうとくん』5歳。知恵と勇気の男前。
その兄『アニ』大学生。料理上手の風流者。等々たくさん。』
~マキさんによるもうひとつのブログ『ルーの丘で』より抜粋~
「むちむちおとーと」は、マキさんの描くイラスト世界の主人公である。
『ルーの丘で』
グラフィックデザインを生業とするマキさんが描く、物語絵巻。
ブログ初出は2009年9月。
しかし、マキさんによれば、
おとーとの原型は20年前すでにあったのだという。
はなから子供や人間を描くのが好きだったマキさんの頭の中で、
長い時間をかけて、おとーとは形作られていった。
「子供のむちむちした感じが好き」
そういうイメージが核にあるとマキさんは言う。
そしてついに、おとーとはマキさんのイメージを抜け出し、
紙の上にその像を結ぶ。
今でこそ賑やかなルーの丘であるが、
おとーとが生まれた当時、
丘はまだ存在していなかった。
生まれたばかりのおとーとを前に
マキさんは思う。
「彼の住む世界を見たい」
そして、世界は生まれた。
瞬く間にルーの丘の世界は展開していった。
仲間が増えた。
なんとすでにマキさんの頭の中には、
ルーの丘世界の詳細な地図ができあがっているそうだ。
「GoogleMapみてると一日終わっちゃう」
無類の地図好きを公言してはばからない、
マキさんならではのエピソードである。
そして、
「むちむちおとーと」に2度目の転機が訪れる。
もけけ化。
おとーとは平面の世界から飛び出す。
フェルティングという造形技法がある。
フェルティングニードルという道具を用い、
羊毛をフェルトの塊へと形作る。
彫刻のように削り出すのでなく、
粘土細工のように盛り付けるのでもなく、
茫々とした羊毛の塊を
ささくれの付いた針で幾度となく突き刺しながら
形を作っていく。
それは大変根気の要る地道な作業だ。
フェルティングと出会ったマキさんが最初に作ったのは
手のひらサイズの「ミニおとーと」だった。
これは面白い、とマキさんは思った。
すぐに、
もっと大きなものが作りたい、と創作意欲が噴出した。
フェルティングの鬼となったマキさんは
相次いで
身長30センチ超の「でかむち」2体を世に送り出す。
「もけけ工房」の始まりであった。
私がはじめてこの「でかむち」と出会ったのは
今年の8月だった。
マキさん持参の「岡本太郎ゴミ袋」から
取り出された「でかむち」を手にしたとき、
私は驚いた。
フェルトの繊細な感触もさることながら、
その不思議な存在感に驚いたのである。
人形ではない。
かといってぬいぐるみでもない。
子供向けのおもちゃでも、
陳列して鑑賞するための美術品でもない。
そうか、「でかむち」は、
マキさんが羊毛で三次元空間に描いたイラストなのだ。
「こういうの作っておきながら、内心では『これってどうなのよ』って思ってるんですよ」
とマキさんは笑う。
人形ではないけれど、
分類上はどうしても人形の属性を与えざるをえない「でかむち」に
作り手自身が当惑しているのである。
マキさんが幼かった頃、日本中の女児は人形ブームに湧いていた。
友達のほとんどが某有名人形を手に遊びふけっていたとき、
マキさんはひとりその輪に入れずにいた。
人形はなんとなく苦手だった。
ぬいぐるみはこよなく愛したが、人形はなんだか怖い。
世間のブームをよそに、一向に人形遊びをしようとしない我が子を両親は案じたが、
そのたびに
「お人形さんはいらない」
と素っ気ない。
「でも、1度だけ人形をねだったことがあったんだけど」
それまで人形に見向きもしなかった我が子が
ある時、何を思ったか人形に興味を示したのだ。
彼女の父は喜んだ。
喜び勇んで発奮し、愛しい我が子のためにすぐさま人形を買い与えた。
しかし、
父が慌てて買ってきたのは
なんとケース入りのフランス人形であった。
娘はケースの前でしばし呆然とし、
青い目の人形にやや戦慄し、
すぐに興味を失い走り去った。
娘のために奮発した父の嘆息ぶりは
想像に難くない。
「『かわいい』っていうものを作りたいんじゃない」
とマキさんは言う。
「でかむち」が目指すのは人形ではない。
遊ばれるための、飾られるための
目的物たる人形とは違う。
やはり、この「でかむち」達は、
マキさんのイラストそのものなのだ。
「触ることのできるイラスト」なのである。
おとーとはいつも優しく微笑んでいる。
絶妙の笑みだと思う。
その笑みは
楽しさという外的要因から生じたものではなく、
むしろ、
全てを許容する、ありのままに受容する
そういう笑みであるように感じる。
弥勒菩薩みたいな、
そういう不思議な、魅力的な笑みなのだ。
いつもマキさんから
「引きの画も撮っておいてよ~」
と言われるが、
気づくと寄れるだけ寄って撮っている。
私の接写癖もあるのだろうが、
実のところ
この「でかむち」が私を引き寄せて離さないのである。
微笑の引力。
そういう力が
この「でかむち」にはある。
~告知~
11/6 『もけけ工房』が「渋谷てづくり市」に出展するそうです。
お近くの方は是非、手にとって御覧ください。
ちょっとノンフィクション風に迫ってみました(笑)
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by TamaWakaba
| 2010-10-27 21:39
| 物撮り
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2010年 10月 23日
星空の鉄塔
ある冬の晴れた夜に
星のきらめきは電磁波で
人の脳波も電磁波で
光の速さで宇宙を進む。
だから、
いつか空に向かって投げた
言葉にできない気持ちとか
やり場のない思いのたけは
1千光年先の夜空で
青く澄んだ
かすかな瞬きに
なっていて欲しい。



久々にひとりで飲んでしまった。
スンマセン。
ちょっと酔ってます、ひっく。
秋の夜長に・・・
EOS5D Mark II
EF35mm F1.4L USM
星のきらめきは電磁波で
人の脳波も電磁波で
光の速さで宇宙を進む。
だから、
いつか空に向かって投げた
言葉にできない気持ちとか
やり場のない思いのたけは
1千光年先の夜空で
青く澄んだ
かすかな瞬きに
なっていて欲しい。



久々にひとりで飲んでしまった。
スンマセン。
ちょっと酔ってます、ひっく。
秋の夜長に・・・
EOS5D Mark II
EF35mm F1.4L USM
▲
by TamaWakaba
| 2010-10-23 00:54
| 夜空・星景・月
2010年 10月 22日
紅玉絨毯 ー 箕輪町 赤そばの里 ―
長野県上伊那郡箕輪町 「赤そばの里」 (9/18撮影)
紅玉色のじゅうたんの中を
ゆっくり歩いていると
なぜだか
幸せな気分になるのでした。


赤そば「高嶺ルビー」











あいにくの曇天。色が出なくて難しかったです。
来年は晴れるといいなぁ・・・
EOS5D Mark II
EF500mm F4 L IS USM
EF70-200 F2.8L II USM
EF16-35mm F2.8L II USM
紅玉色のじゅうたんの中を
ゆっくり歩いていると
なぜだか
幸せな気分になるのでした。


赤そば「高嶺ルビー」











あいにくの曇天。色が出なくて難しかったです。
来年は晴れるといいなぁ・・・
EOS5D Mark II
EF500mm F4 L IS USM
EF70-200 F2.8L II USM
EF16-35mm F2.8L II USM
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by TamaWakaba
| 2010-10-22 02:59
| その他の草木花
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2010年 10月 17日
コスモス咲く丘
長野県佐久市 内山牧場 「大コスモス園」 (9/25撮影)
秋桜色という色が
きっとあるのだと
この時思いました。
その秋桜色で、
全てが彩られていました。
風が時折描く
秋桜色の波が
丘を渡っていきました。
まだ、夏が名残惜しそうにしていた、
初秋の日の思い出です。














EOS5D Mark II
EF500mm F4 L IS USM
EF70-200 F2.8L II USM
秋桜色という色が
きっとあるのだと
この時思いました。
その秋桜色で、
全てが彩られていました。
風が時折描く
秋桜色の波が
丘を渡っていきました。
まだ、夏が名残惜しそうにしていた、
初秋の日の思い出です。














EOS5D Mark II
EF500mm F4 L IS USM
EF70-200 F2.8L II USM
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by TamaWakaba
| 2010-10-17 23:35
| その他の草木花
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2010年 10月 16日
時間跳躍
中学時代の友人たち
久しぶりに、中学時代の同級生で飲む。
誰よりも、心を許せる人達。
楽しい時間をありがとう。


























EOS5D Mark II
EF35mm F1.4L USM
久しぶりに、中学時代の同級生で飲む。
誰よりも、心を許せる人達。
楽しい時間をありがとう。


























EOS5D Mark II
EF35mm F1.4L USM
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by TamaWakaba
| 2010-10-16 21:20
| 人
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2010年 10月 15日
陽送り
長野県伊那市
黒々とした山塊が
巨大な背骨のように横たわる
この山国では
沈みゆく太陽を
地平線の向こうまで
見送ることは出来ない。
いつも黙って行ってしまう太陽が
時折、
思い出したかのように、
雲越しに別れを告げてくる。
燃えるような茜色から
濃紺の闇へ。
そうしてやってくる夜は
いつもより
少しさみしい。







EOS5D Mark II
EF16-35mm F2.8L II USM
黒々とした山塊が
巨大な背骨のように横たわる
この山国では
沈みゆく太陽を
地平線の向こうまで
見送ることは出来ない。
いつも黙って行ってしまう太陽が
時折、
思い出したかのように、
雲越しに別れを告げてくる。
燃えるような茜色から
濃紺の闇へ。
そうしてやってくる夜は
いつもより
少しさみしい。







EOS5D Mark II
EF16-35mm F2.8L II USM
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by tamawakaba
| 2010-10-15 23:02
| 空・雲・天候
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2010年 10月 13日
朝露珠2
長野県北安曇郡池田町 中島蓮池
全ての水珠に
逆さまの世界が宿っています。









EOS5D Mark II
EF100mm F2.8L Macro IS USM
逆さまの世界が宿っています。









EOS5D Mark II
EF100mm F2.8L Macro IS USM
▲
by TamaWakaba
| 2010-10-13 20:20
| その他の草木花
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2010年 10月 12日
帰りつく場所
長野県安曇野市穂高北穂高 狐島水田
風が日に日に冷たくなる。
この季節になると
胸がざわめく。
空のどこかから
彼らの羽音や鳴声が
聞こえてくるような気がする。
誰に言われるでもなく、
自然と狐島に足が向く。
刈取りを終えた田んぼが
日没の青い光の中で
黙って夜を待っていた。

今年も
田んぼの縁で
刈り取らずに残した稲穂が
風に揺れていた。
いずれは白鳥が
美味しそうにこれをついばむのだろう。
はるばるやってくる白鳥たちへ
爺ちゃんからの
ささやかな贈り物だ。

秋の花が、
ピーちゃん達の小屋の周りに
咲き乱れている。
全部
爺ちゃんが育てた。

フジバカマがまだ白い花を咲かせていた。
爺ちゃんが渡り蝶を呼ぶために
毎年育てているのだ。
この夏、
アサギマダラは沢山来ただろうか。

冬、
このこのビニールハウスから
爺ちゃんがエサ箱を持って現われる。
白鳥たちは
喜んで大騒ぎする。

今はまだ
嘘のような静けさに包まれている。

爺ちゃんは
元気にしているだろうか。

姿は見えなかったけれど、
満開の秋桜が
爺ちゃんが息災であることを
教えてくれる。

それは、
どこで見るよりも
見事な秋桜だったから。
爺ちゃんが心を込めて
育て上げたに違いなかった。

爺ちゃんも
この秋桜を眺めながら
やがて戻ってくる
大勢の孫たちのことを
心待ちにしているに違いない。

もう、すぐそこだ。

ピーちゃんも
仲間達の戻ってくる日が
近いことに気づいている。

フクちゃんも
仲間達の羽音を
耳元に蘇らせているだろう。

この満開の花々が
色を失う頃、
辺りは
賑やかな景色に変わる。

私も待ち人ではなく
この場所に
帰ってくる側に立った。
今は
遥か北極圏から
この小さな田んぼに戻ってくる
白鳥たちの気持ちが
少しだけ分かる気がする。

ここは
帰りつく場所。
冬が
待っている。
EOS5D Mark II
EF135mm F2L USM
EF16-35mm F2.8L II USM
風が日に日に冷たくなる。
この季節になると
胸がざわめく。
空のどこかから
彼らの羽音や鳴声が
聞こえてくるような気がする。
誰に言われるでもなく、
自然と狐島に足が向く。
刈取りを終えた田んぼが
日没の青い光の中で
黙って夜を待っていた。

今年も
田んぼの縁で
刈り取らずに残した稲穂が
風に揺れていた。
いずれは白鳥が
美味しそうにこれをついばむのだろう。
はるばるやってくる白鳥たちへ
爺ちゃんからの
ささやかな贈り物だ。

秋の花が、
ピーちゃん達の小屋の周りに
咲き乱れている。
全部
爺ちゃんが育てた。

フジバカマがまだ白い花を咲かせていた。
爺ちゃんが渡り蝶を呼ぶために
毎年育てているのだ。
この夏、
アサギマダラは沢山来ただろうか。

冬、
このこのビニールハウスから
爺ちゃんがエサ箱を持って現われる。
白鳥たちは
喜んで大騒ぎする。

今はまだ
嘘のような静けさに包まれている。

爺ちゃんは
元気にしているだろうか。

姿は見えなかったけれど、
満開の秋桜が
爺ちゃんが息災であることを
教えてくれる。

それは、
どこで見るよりも
見事な秋桜だったから。
爺ちゃんが心を込めて
育て上げたに違いなかった。

爺ちゃんも
この秋桜を眺めながら
やがて戻ってくる
大勢の孫たちのことを
心待ちにしているに違いない。

もう、すぐそこだ。

ピーちゃんも
仲間達の戻ってくる日が
近いことに気づいている。

フクちゃんも
仲間達の羽音を
耳元に蘇らせているだろう。

この満開の花々が
色を失う頃、
辺りは
賑やかな景色に変わる。

私も待ち人ではなく
この場所に
帰ってくる側に立った。
今は
遥か北極圏から
この小さな田んぼに戻ってくる
白鳥たちの気持ちが
少しだけ分かる気がする。

ここは
帰りつく場所。
冬が
待っている。
EOS5D Mark II
EF135mm F2L USM
EF16-35mm F2.8L II USM
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by TamaWakaba
| 2010-10-12 02:35
| 安曇野の白鳥
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2010年 10月 09日
白の海2010
長野県大町市美麻 中山高原 (9/4撮影)
去年の様子
今年も、白い世界が広がります。














EOS5D Mark II
EF500mm F4 L IS USM
EF70-200 F2.8L II USM
去年の様子














EOS5D Mark II
EF500mm F4 L IS USM
EF70-200 F2.8L II USM
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by TamaWakaba
| 2010-10-09 19:24
| その他の草木花
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