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平田浩一さんジェラートワールドカップで氷彫刻部門優勝!



2018年1月20日から23日、
イタリアのリミニで開催された
『ジェラートワールドカップ2018(Coppa del Mondo della Gelateria=CMG)』の
氷彫刻部門において、
氷彫刻師の平田浩一さんが
見事、優勝を果たしました!


ご本人からメールで送っていただいた写真とともに
ここでお知らせいたします。

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彫刻のモチーフは「鶴」

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製作中の模様

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【   日本代表チーム   】
写真左から、
Marco Polo Molinari 氏(チーム監督)
Paolo Colonnello 氏(料理人)
柴野大造 氏(ジェラート職人)
平田浩一 氏(氷彫刻職人)
菅原智大 氏(パティシエ)

団体戦は惜しくも第4位。
でも大健闘です!



2年に1度開催される「ジェラートワールドカップ」。
今大会にエントリーしたのは、
アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、
フランス、日本、モロッコ、ポーランド、スペイン、
スイス、ウクライナ、アメリカの11カ国。

監督、料理人、ジェラート職人、パティシエ、氷彫刻職人の5人を1チームとして、
各国の代表選手がその技を競いました。

当ブログでおなじみの平田浩一さんは、
氷彫刻職人の代表としてチームに参加。

大会規定によると、氷彫刻部門は
100×50×25cmの氷柱1本を使って製作とのこと。
この、日本で用いられる36貫氷(100×55×26cm)より
ひと回り小さい氷材を使って平田さんが彫り上げたのが、
「鶴」。

拡げた翼の優美さ、
羽根一枚一枚の精巧さは
これぞ平田さんのお家芸。
そして、鶴の脚の造形。
あ、平田さん勝ちに行ったな、
と確信する瞬間です。

そして、期待どおり
平田さんは世界を唸らせて凱旋帰国。

今年の松本の大会では
平田さんにお目にかかれず残念でしたが
代わりに嬉しいニュースを
イタリアから持ち帰ってくれました。

あらためて
おめでとうございます!





国宝松本城氷彫フェスティバル 氷彫コンクール 関連記事
平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『龍』(2011年)
平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『DRAGON』(2012年)
平田浩一 肥田野雄紀 氷彫刻 『イルカ』(2013年)
平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『遊泳』(2014年)
平田謙三 平田浩一 氷彫刻 『2015年 飛翔』(2015年)
平田浩一 加瀬秀雄 氷彫刻 『飛翔 ~大空に羽たく鳳凰~』(2016年)
平田浩一 加瀬秀雄 氷彫刻 『Crystal Fairy』(2017年)
加瀬秀雄 赤羽目健悟 氷彫刻 『さあ出発!!海の中の新しい仲間と共に』(2018年)




by TamaWakaba | 2018-01-28 12:48 | 氷彫刻 | Trackback | Comments(0)
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奈良井宿睦月

長野県塩尻市 奈良井宿(1/6撮影)


凍てつく日陰と

かすかに熱を帯びた陽だまり。

静かすぎる冬の宿場町。



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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM





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EOS5D Mark IV + EF85mm F1.8 USM






by TamaWakaba | 2018-01-25 17:59 | 奈良井宿・妻籠宿 | Trackback | Comments(6)
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氷彫フェスティバル撮影完了/ブログ10周年



国宝松本城氷彫フェスティバル、
今年も撮ってきました。

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撮影時間15時間30分、
総撮影枚数2703枚でした。

機材更新でCFカードも32GBの3枚から
128GBにアップグレードしたので、
撮影可能枚数にかなり余裕が出たのですが、
余裕があればあるだけ撮ってしまうアホな性分で、
写真の選定作業がエライことになっております。

とはいえ、
それだけのシャッターを切るに足る
素晴らしい大会だったと思います。

氷彫刻もさることながら
それを彫る人の魂に、
何度も胸が熱くなりました。

あの夜、
見たこと聞いたこと感じたこと、
それらをより多くお伝えできるよう、
これから編集作業に取り掛かります。






 ブログ開設10周年に寄せて 
 本日、このブログ『よく晴れた雨の日に。』は10周年を迎えました。
 今日までこのブログを御覧くださった皆様へ、この節目に改めて御礼申し上げます。
 「誰かが楽しみに更新を待っていてくれる」
ブログを続けていく上で、それほど心強いことはほかにありませんでした。
 もう10年も経ってしまったのか、というか、「よく10年続いたな」と思います。
 生来私はとんでもない三日坊主で、様々なことに手を出して浅いところを徘徊しては、それらをことごとく投げ出すことを繰り返してきました。
 そういう自らの性格を恥じ、意を決して始めた日に数行の日記でさえ1年続かなかったのですから、このブログとて推して知るべしだったのです。
 ところが1年経ち2年経ち、5年が過ぎて、遥か彼方に10年目の峠がうっすらと見えてきた頃、私は思ったのです。
 もしブログ10年続けられたら三日坊主の称号を返上しよう、と。
 そういうわけで、本日めでたく三日坊主を卒業させていただきます。

 次の10年に向けて 
 エキブロには超ロングランな諸先輩方がすでに沢山おられるので、10年経ったぞと手放しで浮かれているのはちょっと恥ずかしいところもあります。
 事実、明日から何かが劇的に変わるかというとそんなことはなく、やっぱり今後も淡々と更新を続けていくのだと思います。
 でも、これまでと同じことをただ繰り返すのではなく、これまでできなかったことに挑戦したり、被写体への向き合い方をより深くしたり、いろいろなことを少しずつアップグレードしていけたらと思っています。

 この10年あまり、バカみたいに写真を撮りまくってきた中で朧げに見えてきた結論は、
「自分にとって写真は最終的な目的物ではない」
ということでした。
 自分が見たこと感じたこと、皆に知ってほしいこと、それらを「伝えること」こそが私にとって真の目的であって、写真はその目的を果たすための一つの手段にすぎません。
 これから先、写真の腕を磨いていくことは当然のこととして、その他の「伝えるための手段」についても、鍛錬の必要性を感じています。
 例えば「文章能力」について。
 もっと明解でキレのある文章を淀みなく書けるようになりたいです。
 ちょっとの事柄について、幾晩も書いては消しを繰り返すのはもうそろそろ卒業したい。毎回心が折れそうになります。
 やっぱり写真と同じで、文章も普段から書いていないとダメなんだということを痛感してます。
 せめて1200文字くらいの文章は楽々書けるように、こまめに書く習慣と構成力を鍛えたいです。
 その一環として、この10年で感じた写真についてのあれこれを、そろそろ本気で書いてみたいとも思っています。

 あと、写真とは直接関連はないのですが、我が郷里に古くから伝わる『仁科濫觴記』という謎の文献があります。
 長野県安曇地方の古代の歴史や、地名の発祥、行事の起こりなど、非常に興味深く検証に値する内容なのですが、ろくに議論の俎上に載せられることもないまま、もはや忘れ去られようとしている現状にあります。
 これになんとか光を当てたい。
 私は幼少から日本史大嫌い人間でしたが、この件に関してはやけに「魂が疼く」のです。
 なんとかしなければ、という変な気持ちに駆られています。
 このブログの一角を使って、この仁科濫觴記を周知する努力をしていきたいと思っています。

 明日から、次の10年が始まります。

 これから先も、写真メインのブログとして続けていく中で、写真の発表だけにとどまらず、これまで以上に、いろいろな物事に自分なりの視点から光を当てることができたらと思っています。
 
 どうぞこれからも『よく晴れた雨の日に。』をよろしくお願いいたします。

球わかば

by TamaWakaba | 2018-01-23 22:59 | ごあいさつ | Trackback | Comments(8)
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【告知】国宝松本城氷彫フェスティバル2018【開催】



国宝松本城 氷彫フェスティバル2018

今年も継続開催決定!

全国氷彫コンクール「チャンピオンシップ」
氷像製作 20日(土)17:30 ~ 翌5:30

チャンピオンシップ出場選手一覧(PDF)

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↓ 公式WEBサイト ↓


昨年までの模様はこちら(カテゴリ:氷彫刻)




昨年の大会で終了がアナウンスされていた
「全国氷彫コンクール」が
「チャンピオンシップ」にリニューアルして
継続開催されることになりました。
松本の地で
また新たなる氷彫刻のドラマが生まれることを期待します。

例年密着撮影をしている平田浩一さんは
現在イタリアで開催されている
「ジェラートワールドカップ」団体戦に
日本代表チームの一員として参加のため
今回は出場されません。
イタリアでの平田さんの健闘を祈りつつ、
松本へと向かいたいと思います。




by TamaWakaba | 2018-01-20 02:14 | お知らせ | Trackback | Comments(4)
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ニホンカモシカの親子と夫婦

長野県大町市平



雪舞う森で

美しい仔カモシカに出会った。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III


幼いけれど、端正な風貌。

緊張した視線で

こちらを見ている。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III



その傍らには

母親の姿。

カモシカは養育期間がかなり長い。

生まれた仔カモシカは、
1年以上も母親と一緒に暮らす。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



母親。

角の長さやすり減り具合を見るに

かなりのベテランカモシカだ。

やはり、表情にも余裕がある。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III



すこし離れた場所に

オスのカモシカ。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



カモシカは外見からオスメスを判断するのが
とても難しい。

姿形が雌雄でほとんど変わらないからだ。

でもこの日、

この2頭の成獣の性別が
はっきり分かった。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III



1頭が匂いを嗅ぐ。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



そして、
上唇を釣り上げる
「フレーメン反応」。

これはもしや・・・

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



すると、いきなり
背中に乗りかかる。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



それは、
カモシカの交尾だった。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



野生のカモシカの交尾を
この目で見られるとは。

当然ながら
2頭の雌雄が
完全に確定した。

驚きと喜びで
すこし呆然とする。

いつもは孤独な
森の主たちも
こうやって
生命を繋いでいくんだな、と思う。


この時期、成獣2頭、幼獣1頭という組み合わせで
カモシカを目撃することが多いけれど、
それは、人間のような核家族ではなくて、
子連れのメスに、繁殖のためオスが近づいてきて
発情期の間、一緒に過ごしているという
図式のようだ。

だから、メスは幼獣の母親ということで確定だが、
オスは幼獣の父親であるとは限らない。

そういうカモシカの家族事情が
少し分かってきて嬉しい。





こちらはまた別の家族。

川を隔てた堰堤の上で
休んでいる。

こちらも母子とオスカモシカのセットで
間違いないだろう。

特筆すべきは
幼獣が2頭、
いわゆる双子なのだ。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III



カモシカはたいてい一人っ子なので、
幼獣が2頭いるのは
おそらくとても珍しい。

奇しくも同時に生まれた2つの命。

どうか元気に育って欲しい。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III







そして、2週間後。

再び、あの親子のカモシカに出会った。

茂みの中で
笹の葉っぱを食べている。

周囲の笹の葉は
すでにかなり食べられて裸に近い。

限られた縄張りの中で、
3頭のカモシカが
冬を生き延びていくことは
大変なことだ。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM


仔カモシカ。

この日、撮影することを許さなかった母親に続いて
足早に森の奥へ。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



オスカモシカ。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



胸と腹の毛が
凍りついていた。

雪の少ない冬だが
寒さは厳しい。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



こちらを伺いながら
先に行ってしまった
母子の後を急いで追う。

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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



カモシカの恋の季節は
まだ続いている。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



頑張ってこの冬を
生き延びて欲しい。




by TamaWakaba | 2018-01-15 13:32 | ニホンカモシカ | Trackback | Comments(2)
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北向観音正月

長野県上田市別所温泉 北向観音


正月の賑わい。

それぞれの新年が始まっている。


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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM





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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF35mm F1.4L USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM






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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM








北向観音に一年間お世話になった
厄除けのお札をお返しに参拝しました。
それにしても、
三が日の神社仏閣の人口密度たるや・・・
とはいえ、新年の気持ちの切り替えは大切です(^^)




by TamaWakaba | 2018-01-09 22:05 | その他の建造物・神社仏閣 | Trackback | Comments(0)
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再会、ニホンカモシカ ~ ポートレート

長野県大町市 平


やっと、

やっと会えた。


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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM


何か月もの間、
あのカモシカを探し続けてきた。

幾度となく、その縄張りを訪れては
木々の陰にカモシカの姿を探した。

でも、会えなかった。

去年見つけた糞場には
いつも新しい糞が積もっていたから
元気でいることは分かっていた。

でも、その元気な姿を
この眼で確かめることは
一度たりともできなかった。

そして、いつしか冬になった。

山には雪が降った。

撮影の行く手を阻む雪は厄介だが
思わぬ恩恵を与えてくれることもある。

真っ白な新雪の上に
はっきりと刻まれた
特徴のある蹄の跡を見つけた。
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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM




あのカモシカのものに
間違いない。

足跡は、山の斜面へと続いている。
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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM





足跡が連なる先の
冬枯れの木々が立ち並ぶ斜面の向こうに
あのカモシカの姿があった。

ついに、ついに会えた。
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EOS5D Mark IV +





近くで撮るには
この斜面を登っていくしかない。

しかし、こういう時に限って
斜面を登っていく装備がない。

まず、手袋を持っていない。
さらに、
500ミリのレンズを両手に抱えている上に、
カモシカ撮影には要らないレンズが詰まった
重たいカメラバッグを背負っている。

二足歩行の鈍重な巨大亀が
積雪の斜面に挑むのは無謀すぎる。

しかし、いま諦めたら
また会えなくなってしまうかもしれない。

だから、
行くしかない。
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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM



薄く雪の積もった斜面というのは
想像以上に歩きにくいし、危険だ。

数歩踏み出したところで
すぐに滑って転ぶ。

無意識にレンズとカメラを
かばってしまうのが災いして、
派手に身体を打ちつける。

打撲の痛みに耐えながら、
さらに登ろうとする。
でも、また転ぶ。

「あわっ」とか「ぐわっ」とか叫びつつ
斜面でのたうち回る私を
カモシカは上の方から
じっと見ている。

頼むから行かないで、と
心のなかで呼びかける。

そういえば以前、
カモシカの後をついて
山を登ったことを、ふと思い出す。

カモシカは山の生きものだけあって、
その登攀ルート確保能力は正確で、
一番楽に斜面を登る方法を知っている。
カモシカの歩くところこそが、
最適な登山ルートなのだ。

そこで、
カモシカのいる方向への直登を諦め、
一見遠回りに見える、
カモシカの足跡を辿って
斜面の上へ回り込むことにする。

するとやはり、
さっきとは比べ物にならないくらい、
着実に高度を稼いでいくことができる。
やっぱりカモシカは凄い、尊敬する。

それでも雪の斜面は難敵で
木の枝や、枯れ草に掴まらなければ
体勢を維持するのは難しい。

ようやく
カモシカのいる高台にたどり着いた時には
息も絶え絶えになっていた。

そんな私を待ってくれていたのか、
カモシカは
イバラの茂みの中から
こちらを静かに見ている。
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EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM



本当にあちこち探し回ったんだぞもう。

言葉は通じないと分かっていても、
なんとなく話しかけてしまう。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM


しばらく見ないうちに
ちょっと貫禄は増したけれど
元気そうだ。

心底惚れこんだ
その端正な風貌も健在だった。

距離は約10メートル。

普通のカモシカなら
人間を警戒して
微動だにしない距離だが、
このカモシカは
どこかリラックスしている。

私が無害な顔馴染みだと分かっているのか、
それとも天性のクソ度胸の持ち主なのか、
こちらを凝視するのに飽きたかのように
カモシカはその場で、
のんびりと食事を始めたのだった。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM




ノイバラの赤い実を
つまむようにして上手に食べる。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM





いたる所に
食べ物が溢れていた季節は過ぎた。

今はこうして
山中を彷徨いながら
食べられるものを食べて
生命を繋いでいくしかない。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM




厳しい季節だが
このカモシカの顔に
悲壮感はない。

多分もう10年以上も
そういう厳しい冬を
何度も乗り越えてきた。

その眼には
自信にも似た何かが
満ちている。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III




食事をしながら
チラチラと
こちらの様子を伺う。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM






そのたびに
おおよそカモシカらしくない
可愛らしい表情を見せてくれる。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM




お前はモデルの才能もあるかもしれないぞ。
今度、正式に組んで写真集でも出そうか。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM




冬の森のなかで
カモシカと二人きり。

時が経つのを忘れる。

言葉はなくても
視線の交わる先で
何かが通じ合っているように
思えてしまうから不思議だ。
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EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM

右手に
寒さではない痛みがあった。

ふと見ると、
カメラを持つ手から
ポタポタと血が滴って、
薄く積もった雪の上に
赤い斑点が散りばめられている。

斜面を登ってくる途中で
指先にイバラの棘を
引っ掛けてしまったらしい。

でも、そんな些細な怪我のことは
もうどうでもいい。

カモシカありがとう。
山の神様ありがとう。
写真の神様ありがとう。

心の中は
そういう気持ちで一杯だった。

それが12月30日のことだ。





年明け、1月1日。

あのカモシカへの想いは
冷めやらず、
なんとかもう一度会えないか、と
山に向かう。

ダメ元だという諦めと、
もしかしたらというざわめきとが
半分半分でせめぎ合う。

はやる気持ちで
30日に出会った場所を覗く。

いた。

同じカモシカが
またそこにいた。

a0155104_22112640.jpg
EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



カモシカが不思議なのは
人間を過度に恐れないことだ。

人間の気配や匂いのする場所も
あまり気にすることがない。

事実、数日前に私が歩き回った場所を
このカモシカは
平気で闊歩している。

カモシカは
山中で人間と出会っても
小心者のニホンジカのように
一目散に逃げ出したりしない。

4本の脚で
がっしりと大地に立ち、
人間を両目でじっと見据える。

かつてはそういうカモシカの習性が仇となって、
毛皮素材として乱獲され、
著しく個体数が減少した時期があった。

でも今は
国の特別天然記念物に指定され、
昔に比べると
平穏な日々を暮らしているのかもしれない。

とは言っても、
厳しい自然の中で
生命を繋いでいく苦労は
何も変わってはいないのだが。
a0155104_22112265.jpg
EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM



この日、また一つ
新たな発見があった。

こんなに近くで撮影ができるのだから、
ここはひとつ、
動画を撮影してやろう。

そう思った私は、
上着のポケットからスマホを取り出して
カモシカの方にかざした。

すると、
それまでリラックスしていたカモシカが、
突然後ろに飛び退いたと思ったら
猛速で森の奥へと走り出した。

やってしまった。
逃げられた。
驚かせてしまった。

私はその時、
後悔すると同時に、
カモシカの観察力に驚いた。

カモシカは
ただ人間との距離を測って
逃げる準備をしているだけではない。

人間が何をしているのか、
それが見慣れた動作なのか、
初めての動作なのか、
そういうことまで
彼らはしっかり観察した上で
反応しているのだ。

さらに驚いたことがある。

カモシカは
森の奥へ逃げ去るかと思いきや、
数メートル走ると立ち止まり
こちらを向いて
再び私の様子を窺い始めた。

恐怖におののいて
逃げ出したわけではなかったのだ。
そのカモシカは、
私との安全な距離を保ちつつ、
さらに私を観察しようとしている。

それは明らかなる好奇心だった。

自分の身の安全と天秤にかけるくらい
彼らの好奇心は強いのだ。

これは大きな発見だった。

そうやってまた
カモシカと二人きり、
森のなかで
しばし見つめ合う。
a0155104_22112082.jpg
EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM


言葉は通じないけれど、
お互いに
なんか変な生きものだな
と思っていることは確かだ。

お互いに個別の生物として
認識できているのだから
もうそれは
立派なコミュニケーションだ。

そう思うと
またこのカモシカのことが
愛おしくてたまらなくなってしまう。
a0155104_22111767.jpg
EOS5D Mark IV + EF500mm F4 L IS USM + EXTENDER EF2×III





ひとしきり写真を撮って
私が一息つくと
カモシカはなにかを察したのか、
「もう十分撮っただろ」とでも
言いたげな感じで私に背を向けて、
ゆっくりと木々の奥に歩き出す。

私はそれを
少し淋しい気持ちで見送る。
a0155104_22111395.jpg
EOS5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS II USM


ありがとう。

また会えて
本当によかった。

ほんの僅かだけれど、
かけがえのない時間だった。

どうかまた、
その美しい姿を見せて欲しい。

これからが、
もっと厳しい冬。

どうか元気で。






(追記)
年末年始は
この個体を始めとして
大カモシカフィーバーでした。
また追々アップしたいと思います。



(写真部門)




by TamaWakaba | 2018-01-05 02:15 | ニホンカモシカ | Trackback | Comments(2)
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謹賀新年2018







おかげさまで、
このブログは1月23日に10周年を迎えます。

次の十年、
私の写真とブログは一体どこに向かうのでしょうか。

とはいえ、撮らないことには始まらないので
とにかく撮るぞ―撮るぞ―!

ブログ更新初めは2日の予定です(^^)


(追記)更新が遅くなって申し訳ありません。
新年早々の公約不履行でございます。
記事の編集に手間取ってまして、
更新が大幅に遅延しております。
もうすぐアップ・・・したいです。
・・・いや、します(^_^;)。










by TamaWakaba | 2018-01-01 00:00 | ごあいさつ
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基本的に何でも撮ります。     ※スマホの方は「PC版表示」での閲覧をおすすめします。
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